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02-06-03.不動産投資におけるリスク8つ ~後編~ 『不動産投資実践塾~富の成る木の育て方®️』

不動産投資のリスク、大きく分けて8つのうち、これまでに5つをご紹介してきました。

リスク①物件選び
リスク②空室
リスク③家賃滞納
リスク④金利上昇
リスク⑤値下がり
リスク⑥流動性
リスク⑦災害
リスク⑧人的要因


今回は最後の3つ、リスク⑥・⑦・⑧について詳しく見ていきましょう。

リスク⑥流動性
不動産は、預貯金や株式よりも流動性が低いものです。つまり、現金化しづらい、ということですね。不動産を売却する場合は、だいたい3カ月ほどの時間がかかると見積もっておくと良いでしょう。売却時には申込・査定・売買契約・決済・引き渡しなど多くの工程を経るため、その分時間もかかります。短い場合でも1カ月ほどはかかり、株のようにワンクリックで売却することは出来ません。買い手がつかなければ売ることは出来ない取引です。
反対に、流動性が低いという特徴があるからこその魅力もあります。それは、掘り出し物物件に出会う可能性がある、というところです。不動産マーケットには独自の流通網があり、広く公に公開されない物件も存在します。その中に多いのが、売り主が急いで売却したい、と考えている物件です。こういった物件を公にしてしまうと問い合わせが殺到し、なかなか売却の話がまとまらなくなってしまう、ということが想定されます。そのため、急ぎの案件はマーケット上に公開せず、不動産屋が判断して購入できそうな顧客に直接話を通し、取引を決めてしまうということがあります。
そういった話が舞い込んできたときはチャンスです。急ぎの対応が必要な物件は「とにかく早く売りたい」という意識が売り主側にあるため、上手く交渉して良い物件に出来る可能性が高くなります。


リスク⑦災害
不動産には、地震・火災といった災害リスクが付いて回ります。災害リスクを回避するには、まず “建物の構造と建築年をチェックすること” です。1981年に新耐震基準が適用されました。RC(鉄筋コンクリート造)やSRC(鉄筋鉄骨コンクリート造)を購入するときは、この新耐震基準以降に建てられた物件を購入しましょう。旧耐震基準で建てられた物件を購入する場合、銀行融資が下りにくくなるというデメリットがあります。仮に運よく購入できたとしても、耐震補強工事のために余分な経費を支払わなければなりません(現状はオーナーが耐震補強工事を実施しないケースも多く、問題となっています)。また、昭和に建てられた物件で特に旧耐震基準の物件は、排水管が鋳鉄で出来ていることが多く、中が錆びて詰まってしまう、という現象が起こります。その場合の処置に費用が掛かったり、さらには錆びた排水管に穴が開いてしまい、漏水による汚損の損害賠償と排水管の敷設し直しに何百万もの費用が掛かった、という話も聞きます。
次に、絶対に実施して欲しいのは “物件のクラックチェック” です。外壁に大きなクラック(亀裂)が入っていないか、基礎にクラックが入っていないかということを確認していきます。建物は木造でもRCでもクラックなどによって出来た隙間から雨水やシロアリなどが侵入して傷んでいきます。
ただ、「クラックが入っていたら全てダメ」というわけではなく、修繕すればOKな程度であれば逆に値引き交渉の好材料となります。とは言え、あまりにもクラックが多い、もしくは大きい場合は問題ですから、修繕で取り戻すことが出来る程度なのか、という観点からチェックしていきましょう。
また、 “専門家にチェックしてもらう” という方法もあります。建築に関わっている知り合いの職人さんや建築士さんと一緒に物件の見学に行き、専門家の視点でチェックしてもらうというのも有効手段です。
そういう方がいない時には、リフォーム業者に一緒について来てもらい、修繕の際の見積を立ててもらうのです。
「騙されそう?」
そういったことも考えられるかもしれませんね。それではリフォーム業者に騙されないためのコツを一つお教えしておきましょう。
1つ目は、「今後ずっと物件を購入していく予定だ」と伝えること
2つ目は、2社以上の業者に見積を取ること
3つ目は、2社以上見積をとっていることを相手に伝えること
1つ目のコツを実施することで、リフォーム業者にとってあなたは常連さんになる可能性のある優良顧客となります。リフォーム業者は、1回目で大きな利益を取ろうとして警戒されるよりも、安くしてでも数回のリフォームでしっかり利益を出そうとします。
次に2つ目のコツを実施することで、どちらかのリフォーム業者が嘘を付いていれば見積書の数字と話の内容ですぐに見破れます。
そして最後に3つ目、これを言われると2つ目の理由からリフォーム業者は嘘をつけなくなります。
そして何よりも大切なことが “火災保険にしっかりと加入すること” です。火災保険の加入にはポイントがあります。そのポイントとは、決して保険会社と直接契約しないこと。オーナーに寄り添い、火災保険が出やすいように協力してくれる代理店と契約しましょう(火災保険については重要な内容なのでまたの機会に詳しくご説明します)。
また、 “所有物件を増やす” ということもリスク分散に効果的です。様々な価格帯・さまざまなエリアの物件を複数所有することにより、大きな地震がどこかのエリアで起きたとしても、リスクヘッジが出来ます。


リスク⑧人的要因
住人トラブル(騒音・ゴミ・ペット飼育等の契約違反)や犯罪(強盗・殺人・自殺)といった人的要因のリスクについては、ある意味どうしようもない部分とも言えます。
しかし、当然ながらこのリスクについても予防策はありますのでここでお教えしておきましょう。
まず、高齢化社会の課題でもある孤独死についてです。この孤独死については、これまで事故物件に該当するか否かの判断は難しいものでした。しかし2021年10月、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が国土交通省によって策定されました。国土交通省が策定したガイドラインでは、 “自然死および事故死の中でも特殊清掃や大規模リフォーム等が伴わなかった場合は原則的に買主への告知を不要” としています。
しかし、入居者から事故の有無を確認された場合は、把握している内容を告知しなければなりません。そのため、高齢者の方を入居させるときは、見守りサービスの活用などを検討することも大切です。
これは知り合いの大家さんから教えてもらった裏技ですが、ヤクルトを契約して、宅配スタッフに一言お願いしておけば、入居者の様子がおかしい時は教えてもらえるそうですよ。入居者にも喜ばれますし費用も安いためお勧めです。
注意していただきたいのが、殺人です。
自殺でも告知義務があるのですが、殺人となると分が悪いのです。なぜかというと、犯人が生きている、または捕まっていないとなると「またこの物件が狙われるのではないか」という心配から敬遠されてしまうからです。自分が物件を購入する時には、どんなに安い物件でも事前にその点をしっかり確認するようにしてください。
もし所有物件で孤独死や事件が起こったら、怖くて眠れない?
安心してください。
僕の所有物件で殺人事件はまだ起こったことはありませんが、孤独死は2度ほど起こったことがあります。
その時には家賃を半額にして募集し、開始1ヵ月半ですぐに入居が決まりました。娘さんが近所に住んでいるお婆さんの一人暮らしでしたが、世の中には事故物件でも気にしない、むしろ安くて助かるという方は一定数いらっしゃいます。
ちなみに告知義務は発生からおおむね3年間ですから、賃貸借契約書の特約で3年後から家賃を元の賃料に戻す旨を明記しておくと損失を最低限に抑えられるでしょう。
また、近隣トラブルや犯罪など人的要因のリスクを回避するには “入居時の審査を厳しくすること” で対応できます。
一番簡単でおすすめの方法は、家賃保証会社を入れて、その審査を通るかどうかで入居者に問題が無いかを見極めることです。そうすることで、もし家賃を滞納された時や夜逃げをされた時も家賃や訴訟、退去清掃費用を保証して貰えます。僕も所有物件で起こる “滞納” 、 “夜逃げ” 、 “逮捕” などで家賃保証会社さんには何度も助けられました。
さらに、家財保険を利用することも大切です。
注意していただきたいのは、家財保険は更新制ですので、更新時期に手続きを忘れないようにしてもらうことです。管理会社を通じてしっかり更新対応してもらうようにしましょう。なお、この家財保険は入居者が自分のために入る損害保険です。そしてこの保険が切れてしまっていると、例えば入居者が洗濯機ホースの外れ等で水漏れを起こしてしまった際、その損害金額を全額負担してもらわなければならなくなります。建物の修繕から下階の住人への損害賠償を合わせると数十万以上になってきます。「支払い切れない」という可能性が出てくることも珍しくないでしょう。そのようなことが無いよう、管理会社にしっかりと契約の有無の確認をしてもらいましょう。
補足ですが、孤独死がカバーされる保険というものもありますので、高齢者の方に入居していただく場合はこちらも検討してみてください。
最後に王道ではありますが、やはり何事も予防が大切です。犯罪防止と問題解決には、 “セキュリティ設備を充実させる” ことが大切です。あくまで犯罪防止の観点からですが、ゴミ問題やペットの問題なども、セキュリティカメラをつけたことにより解決することが出来るケースがあります。
ちなみに、カメラの設置をするならインターネット無料を建物全体に導入することをお勧めします。インターネット無料は今人気の設備であり入居促進の強力な武器にもなります。また、インターネットの導入コストも年々下がっており、2022年現在は、世帯数×1,000円程から導入出来ます。そして、インターネットを導入していれば、カメラをインターネットに繋げて遠隔監視が可能となります(カメラの設置コストは毎月1,000円~2,000円程度)。
僕も、最近建築した新築アパートではインターネット無料を導入していて、セキュリティ強化のためにオートロック付きIPインターフォンや防犯カメラを標準装備しています。やはり予防をしっかりとして問題が起こらないのが一番のリスクヘッジですね。


以上、8つが不動産投資における大きなリスクです。どんな投資にもリスクはついてまわります。その特性を理解したうえでしっかりと対処し、いざという時に慌てない準備をしておきましょう。


まとめ
・不動産は流動性の低い投資で、現金化には時間がかかります。反対に、流動性が低いからこそ生まれる魅力もあります。
・災害や人的要因と言った予期せぬトラブルもありますが、保険や保証など様々な対策を取ることによってリスクの軽減が可能です。
・不動産投資には様々なリスクがありますが、その特徴を理解し、それぞれのリスクに備えることで安定と安心が手に入ります。

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