抗がん剤治療44日目

熱なし。午前中は体がだるくてずっと寝てたけど、午後から復活した。

まだまだ体調に波があるなぁ。まあ移植中ほどのだるさではないから、普通にやり過ごせる。

リハビリして、家族が来てスタバを差し入れしてくれた。
なんかクリスマス仕様のカップに変わってて、かわいかった。写真撮るの忘れてた。

そして、なんと明日で点滴が外れるらしい。
嬉しい。もうすぐ点滴のエラー音で起こされる生活から解放される。
輸液ポンプ、今までありがとう。あなたがいなければこの治療の成功はありませんでした。

最近、患者の治療方針を決定していくのに、インフォームドコンセント(IC)っていう制度が多くの病院で取り入れてられている。

これは、患者が自身の治療内容について十分な説明を受け、理解した上で、患者自身が同意し、最終的な治療方法を選択していくこと。要するにお医者さんの言うことを患者さんもある程度理解して同意した上で、治療を頑張りましょうねっていう感じ。

そして、このICの決定に関わる人は、主に患者とその家族になる。
つまり、お医者さん、家族、患者、みんなで治療を選択、理解して乗り越えていきましょう!っていう一見素晴らしい制度。

でも、正しい理解や選択にはある程度の知識も必要。ICの決定に関わる自分の家族にもこの病気や治療に関する知識を付けて欲しいと感じていた。

そこで、日曜日に自分が使ってる血液疾患に関する本とネットで探した初心者向けのレジュメを渡したのよ。しかも難しい単語とかはメモで書き足したりしてるから、分かり易くなってると思う。

そんで今日(火曜日)、返してくれたんだけど、なんて言ったと思う?

「ずっと車の中に放置して、読んでなかった。」だって。

そんで、「分からんかったわ~。笑」って言ってるの。いやいや、分かる分からん以前に、読んでなくて分かる訳が無いやん。まじで頭の中「???」としかならなんかった。そして、元あった場所にス~ッと戻してきた。

こうなると、次の治療方針を決定する時、「医者&家族 VS 患者」の構図になるのは目に見えてる。

患者は治療行為を受ける主体やから、それなりに色々調べる訳よ、メリットもデメリットも含め。

けど家族は、大体お医者さんが言うことに疑いの念を一切いれず、「その道○○年の名医が仰ってるんだから」みたいな完全な人任せで自分の治療方針を決定しようとする。もうね、怖くてしょうがない。

例えるなら、あなたは日々働いてる会社の経営方針を決定する重要な会議に同席することになったとする。この道10年の経営コンサルタントが「御社はこれから○○に注力するべきだと考えます。」って提言したとする。そのとき経営陣からあなたは意見を求められた。そしてこう答えた。

「この道10年の経営コンサルの方がそう言ってるので、従うべきだと思います。」

いや、経営陣誰が納得するねん、って話でしょ。

もちろん、会議の中には本当に会社のことを考えてコンサルの意見に従うべきだと言う人もいれば、反対する人もいる。

ただ、多数決を取った時に、「コンサルの意見に従った方が無難やな」っていう理由で賛成する人が多くを占め、最終的にそのコンサルの意見に基づく経営方針に決定した。

果たしてこの決断は、本当にその会社のためになったのだろうか。その経営方針で上手くいけば何の問題も無い。ただ、何か重大な問題が生じた時、誰が責任を取るんや?

もちろん、臨床で何十年も治療を続けてきたお医者さんから得られる情報は信頼できると思う。けど家族にはある程度知識を付けて「本当にそうなのか」ぐらいの判断は出来るようになってほしい。特に患者は、いくら知識を付けていても気が動転していて正しい判断ができない場合が多いから。

因みに「医者&家族 VS 患者」の構図になると、患者の意見が通ることはほぼ無いに等しい。どれだけ患者が治療に関しては徹底的に調べ上げ、今の自分にこの治療は適していないと判断したとしても、知識に乏しい家族は十中八九医者側に着くから。

そうなると、患者に抗う術は無くなる。専門的な知識を有する医者と患者をサポートする家族が結託すると、患者の意見などワガママか、病気で正しい判断ができなくなってる状態とレッテルを貼られるのみ(このレッテルはあながち間違っている訳でもないが)。

そして患者は、自分の身に降りかかる恐ろしい説明を散々聞かされた挙句、「この治療に関する副作用や危険性を全て理解し、治療を受けることに同意しました。」という同意書にサインしなければならない。いや、正確にはサインしないという選択を取ることができない。

つまーり、インフォームドコンセントという制度、場合によっては患者の意見を殺す場合も多いにあり得る、ということ。

以上、自分が白血病の治療を経験して感じた、インフォームドコンセントの問題点でした。

一応書いておくけど、ここまで自分を育ててくれて、ここまでの治療を懸命にサポートしてくれた家族には本当に感謝してる。この若さでこんな病気になって、心配をかけてしまって申し訳ないとも思ってる。

ただ、今回の「自分の病気、治療に関する知識」を身につけようとしてくれない態度には、正直心底ガクッときてしまった。普段なら仕事で忙しいからしょうがないと思うけど、今回は4連休だったもんなぁ。そして何より、情報を渡したのにそれを見ようともせずにこっちにポイッっと返却してきた事。悲しいよ。。。。。

けど、こんなん口頭で言ったら絶対に傷ついてしまうやろうなぁ。
愚痴としてここに暫く残しておこう。いつか家族にこのブログを紹介する時は、しっかり削除しておこ。笑









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