製品の三層モデルから考える就活・新卒マーケティング[キャリサポ 就活]

高岡図書館の手塚治虫コーナー大好きキャリアサポーターようちぇけらです。

授業も落ち着き始めて教科書を今から入手する人はもういないころ合いでしょうか。
私はまだ「マーケティング論-A」の教科書をメルカリで探しているところです。

その「マーケティング論-A」の講義に「製品の三層モデル」という普段聞かないワードが出てきました。

「製品の三層モデル」は、製品を「核」「構造」「表層」の三つのレイヤーに分けて考えるモデルです。ここでは、食器洗浄機を例にそれぞれの層を詳しく見ていきましょう。

製品の核(核): 製品そのものが備えている便益で、消費者の欲求に直接かかわる部分です。食洗器の本質的な価値は、食器洗いにかかる時間を節約し、手を水に長時間晒す必要から解放することだといえます。
製品の形態(構造): 製品の外見や物理的特性、心理的な側面のこと。物理的側面には、食洗器の大きさ、重さなどを指し、心理的側面にはブランド名、デザイン、カラーなど、消費者が受けるイメージが含まれます。
製品の付帯的機能(表層): アフターサービスや保証サービス、洗剤自動投入機能や水道から直接水を引く機能など、本質的な価値ではなく決め手にはならないが「あるといいよね」となるものがあります。まれに、水道から水を引く機能は絶対に欲しい!と、消費者の一部には核となりうる機能も存在します。

これと同じように、就職活動では自分という「製品」をどう採用担当者にアピールし、採用という「購入」に結びつけるかという考え方もできます。企業が一般的に新卒に求めるのは「素直に聞く態度」「明るくハキハキした挨拶」「ルーティン作業もなるべく早く正確にやろうとする姿勢」「立ち止まって考える姿勢」「伸びしろを感じさせる人」だとされます。(参考:就職活動一冊目の教科書)
上記を踏まえて、学生が就職市場において自分をどのようにマーケティングすべきか考えてみましょう。

1.製品の核

採用担当者が求める資質をリサーチすることが肝心です。就活は売り手市場とは言いますが、マーケティングのトレンドはプロダクトアウト(製品が先)ではなくマーケットイン(需要が先)です。採用担当者が求める核(資質)について認識することが肝心です。資質について具体的に挙げます。証券会社は顧客となる年配の方々に好かれる人懐っこさを求めることが多く、システム開発を行うIT企業は頭の回転やひらめきも大切ですが、それよりも一つの物事にどれだけ真摯に取り組む姿勢を持っているかといった点が評価されるといいます。求められる業界ごとの核となる資質を理解し、業界に求められる資質を持つ存在だと、アピールすることが重要です。

2.製品の形態

服装や立ち振る舞い、言葉遣いなど、面接官に与える第一印象がここに該当します。第一印象は字の綺麗さや写真にもあらわれるので手書きの資料を渡す場合は要注意です。加えて、言葉遣いや話し方も「形態」の一部として評価されます。はっきりとした発音、適切な敬語の使用、話すテンポなどが、よい心象を与えるポイントです

3.製品の付帯的機能

購入(採用)の決め手とはなり得ませんが、実績や賞などの外部からのお墨付きは採用担当者がどうしてその学生を取ったのかを上司や周りに説明しやすくなる要素となります。
「学生の付帯的機能」では、学歴や保有資格、インターンシップの経験など、自己の核と形態を補完する追加情報を提供することで自分が目指す業界で必要とされる専門知識や技能を持っていることを示し、採用担当者に対して自分がその職に適している理由を具体的に示します。たとえば、エンジニアリングのポジションに応募する場合、関連する技術認証やプログラミング言語の習得が強力なアピールポイントになります。

終わりに

就活は会社に自分を合わせるのではなく、自分に合った会社を探すものだと言われます。自分の核を相手企業の求める層にこのように各層を理解し、それぞれの層が自分の就職活動にどう影響するかを把握することで、効果的な自己PRが可能になります。自分という製品を市場に投入する際に、これらの要素をうまく組み合わせてアピールしましょう!

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