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実家からのお届け物。ごんぎつねのような。

「アンパンマン号送ったから。あと、荷台の中にプレゼント入ってるから開けてね。」

昨日新潟の実家の両親とテレビ電話をしていたら母が言った。

アンパンマン号、5歳になる姪と、その妹の3歳の双子の姪が愛用した言わずと知れたアンパンマンのビジーカーだ。
この間1歳になる娘を連れて帰省したときに、喜んで跨っていたので持ち帰ろうか悩んでいたのだけど、大きくて邪魔だし、音もうるさいし、うちにはいらないや、と思って置いてきたのだ。

1歳1ヶ月を過ぎ、自力で立ち上がることが幾度か。そろそろ歩くか、というタイミングでえい!と送ってくれたららしい。

電話口でつい「えーいらないよ!どうせ送るなら新しいの送ってよ」と言ってしまった。
ちょうど、前日に旦那の方の親から子供にと買ったちょっとブリブリな洒落た服が送られてきて、うちはいつもお古とか、野菜とか、食べ物ばかりで、恥ずかしいなあと心のどこかで思っていたのかもしれない。本当はとっても嬉しいんだけど。

これを言ったら母は拗ねてしまった。
電話を切った後に、ラインでも「今度からは新しいのを送るね・・・」と。
そういえば「・・・」を使う母を初めて見た。

そして今日。届いたアンパンマン号の匂いを、誰よりもクンクン嗅ぐのは自分なのに。
緩衝材に入れられた、前に実家に帰った時に置いていったパンパースの残りも匂いを嗅いで、うちの匂いするかなぁと確かめてるのに。
いらない一言言ってしまったなぁ。お下がり、愛がつながってくるから大好きなのに、どうしてあんなこと言ったんだろう。

届いたアンパンマン号のボンネット開けたら、柿が2個並んで入ってた。
狸みたいなことするなあ。(狸がこんなことするかわからないけど。)

他にも野菜いっぱい入っていて、里芋なんか袋飛び出してアンパンマン号に激突して、所々車に飛び散ってるし。
でも、ごちゃごちゃした実家の賑やかな雰囲気がそのまま箱で届いたみたいで嬉しかったな。

その後、アンパンマン号に乗る娘を見せようと実家にテレビ電話したら、母がぱくぱく何か言ってる。何?と聞く

「年 金 で た ら 新 し い の 買 う か ら ね !」

といたずらっ子な顔して言っていた。


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