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あえて空になる

 夏休みの過ごし方を変えてみた。これまでの夏休みというと、とにかくインプットを考えていた。あれも読みたい、これも読みたい、そして、セミナーや研修会にも参加し、映画、美術展を見に行き、さらには一人旅もする。日頃の「したい」を一気に詰め込もうとしていた。

 けれども、今年の夏は、あえて、何もしなかった。

 夏にあれをしたい、これをしたいを詰め込むと、結局、あれもやらなくては、これもやらなくてはと心が休まらない。学期中に一杯一杯になっていた自分がさらに溢れて、気持ちの余裕のないまま、新たな学期を迎えて、焦ってしまっていた。

 だから、この夏は、何もしない。たとえ、積んである本を読めなかったとしてもまぁいいっかと考えた。参加する研修もどうしても行きたいセミナー一つに参加した。焦っても仕方がない。まずは、一杯一杯になっている自分を楽にしてあげることを優先した。

 そうすると、気が楽になった。何だか、夏休みが終わりを告げても、焦らなくなっていた。きっと飽和状態だった心持ちが、楽になったのだろう。こんな夏休みの過ごし方は初めてだ。

 でも、あえて空にすることで、また、インプットしたいなという欲も出てきた。けれども、欲張らない。欲張ると、結局、自分が疲れてしまう。自分を楽にしてあげる。そうして、楽をすることで、仕事への向き合い方も肩に力を入れずに済んでいる。なるようにしかならない。

 どうせ時が来たら、やらねばならぬ。だから、あえて、空になることの大切さに気が付いた。そして、愉しもう。

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