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箱夢の話集 第四集

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#エッセイ

【思い出】手の痛み

保母さんの弾くオルガンの音が聞こえる。 幼い僕たちが小さな手と手をつないで 輪を作ってお…

Tome館長
9日前
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【思い出】煙草の幻覚

若い頃、煙草を吸いすぎて気持ち悪くなり、 目を閉じて項垂れていたら 幻聴が始まった。 遠い…

Tome館長
1か月前
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【エッセイ】言わぬが花

「言うも花、言わぬも花。  同じ花なら、言うてまえ」 というわけで  皆さん勝手に喋ったり…

Tome館長
4か月前
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【思い出】泣かないで

高校二年の授業中、 校内放送があって名前を呼ばれた。 (なんだろう?) 職員室へ行き、 受…

Tome館長
9か月前
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【エッセイ】罪悪感

皿の上に饅頭が二個のっていた。 それは兄と僕、 僕たち兄弟のオヤツだった。 兄はまだ帰宅…

Tome館長
11か月前
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【エッセイ】雪国の思い出

生まれも育ちも雪国なので  雪にまつわる思い出など。 日本そして世界有数の豪雪地帯なので…

Tome館長
1年前
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【エッセイ】カワニナの研究

中学時代、科学部に所属していた。 研究対象は伝統的にカワニナと決まっていた。 カワニナは小川に生息する巻貝で  ホタルの幼虫の餌になる。 当時、まだホタルは普通に見られた。 川辺にゴザを敷き、毛布や飲食物を用意して  キャンプみたいに「24時間観察」などしたものだ。 目印を付けた複数のカワニナの動きを  単位時間ごとに24時間連続チェックするのである。 三年生の時、部員はたった二人だけになってしまった。 とりあえず部長だが、リーダーシップはなく  放課後の理科室で

【エッセイ】美女との遭遇

これは実話なのだけれど  僕が高校を卒業して上京したばかりの頃  ある電車に乗ったら、信じ…

Tome館長
1年前
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【エッセイ】泥棒会社

これは雑誌で読んだ実話なのだが  泥棒会社があったのだそうだ。 事務所があり、社長がいて…

Tome館長
1年前
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【エッセイ】トラばあちゃん

ばあちゃんは明治生まれだった。 名前はトラ。 おいらの両親はどちらも養子だったから 義理の…

Tome館長
2年前
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【エッセイ】騒がしい

目を覚ましたら真夜中で、窓の外が騒がしい。 「殺されるよー! 誰か助けてよー!」 そんな…

Tome館長
2年前
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【エッセイ】昆虫と植物の関係

二十歳の頃、大発見をしたような気がして  眠れないほど興奮したことがある。 昆虫は変態成…

Tome館長
3年前
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