IR推進法について思うこと その2

◆"本物"を持ってこなければ意味がない

現在、横浜を中心にカジノを誘致する・しないが話題となっているが、どこに誘致しても"本物"を持ってこなければ意味がない。

ここで言う"本物"とは、本場ラスベガスを筆頭とした巨大カジノのことだ。カジノ施設はIR施設全体の3%以内の面積と法律で決められているので、ものすごく広大な敷地面積を誇るIR施設でない限り、巨大カジノの一端しか持ってこれないはずだ。

そしてハコだけではなく中身も"本物"でなければならない。どうやら、日本カジノでは「ホールデムポーカー」のような技術が介入できるゲームは禁止される運びだという。

一般的に日本でポーカーと言えば、「ドローポーカー」の認知度が高いが(おそらく『ドラクエ』の影響だと予想している)、世界的には「ホールデムポーカー」が主流だし、大規模な大会も開催されている。

ゲームや動画の影響で「ホールデムポーカー」を知ることは多くなったが、マインドスポーツのひとつでもあるし、eスポーツと同じく、日本でも盛り上げなければならないコンテンツだと思う。そのためには、"本物"の場所でスキルを磨くことも重要だ。

日本カジノでプレイできるゲームは、主に「バカラ」「ルーレット」「ブラックジャック」「クラップス」となるはずだ。「クラップス」あたりも日本での知名度は低いが、ダイスをつかって出目を当てるゲームは何か入るはず。もし除外されたら、これまた"本物"ではなくなってしまう。


◆そもそも日本カジノのターゲットは誰なのだろうか。

こうしてプレイできるゲームに制限が加えられたら、果たして日本カジノに遊びに来たお客さんは満足できるのだろうか。どうしても日本カジノのターゲットはイマイチ不明瞭である。

最近の来日観光客の半分が中国人と韓国人と聞く。それらの国には"本物"のカジノがあるし、他外国人もカジノをプレイしたいがために、わざわざ日本カジノを選ぶのだろうかという疑問も残る。アジア圏ならマカオやシンガポールがあるし、諸外国の富裕層が「本物のカジノ」を堪能したいのならば、やはりラスベガスに行くだろう。

日本人が日本カジノでプレイするには制限があるが(詳しくは依存症リスクとともに後日書く予定)、カジノ企業は日本人もターゲットにしたいはずだし、日本政府は外国人向けにしたい。ここに乖離が見られるのではないか。

少なくとも現段階では、後追いの印象が強く、どうしても"本物"よりも劣る印象なのは否めない。そこで次回は日本独自のカジノ案について考えたい。

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