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奇跡のシンデレラ 都市伝説じゃあるまいし

私はじりじりしてきました。絶対合格しているはず。だって、秘書さん、にこにこしてたもの。面接社員って、たいがい笑わないおじさんじゃん。笑うと損する、と思ってるのかも。
とろろで、一週間経っても返事が来ません。私の履歴書は、もしかしたらあの秘書が、私の顔見て、暑苦しそうにして、ちよっと開けた窓から、飛んでいってしまつたの゛しょうかだろう
あるいは秘書の誰かが私の履歴書の上でパンでも食べて、パン屑落としたので
りれきしょごと
丸めて捨てちゃったのかしら?
など非常識で、世間知らずの娘は、都市伝説まがいの考えさえしたのです。

とうとう10日経ってしまいました。
私はイライラしてきました。そんなはずはない。就活先に電話するのは、NGだとは思いましたが、「返事はいつ、送られて来ますか?」と一般的な問い合わせ風なら構わないだろうと、勝手に決めつけて電話を掛けました。

それでも、仕事中は良くないか、と考え気を使って昼の時間に電話を掛けました。
鳴っているのに,呼んでいるのに受話器が上がる様子はありません。(あら、いやだ、社員総出でラインダンスの練習?まさか、10日のうちに引っ越し?夜逃げ?、なんて悪い想像をしているうちに、やっと受話器があがつたようです


「もしもし、、」
若い女性か、かっこよい(姿は見えない)イケメンが出るかと思ったのに、それはただのおじさんの声でした。流ちょうな日本語でした。社長は欧米人ですから、その人は、ビルにトイレでも借りに来た、会社に関係ないおじさんかもしれません。



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