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大人の歌、恋と不倫、人生の歌

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#掟

不倫関係の昭子と恭一の18年は裁判により否定された。二人は引き裂かれ、会うことはもちろん、声さえ二度と聞けない環境に置かれた。その上、昭子は職場も貯金もうしなった。

妻と別れたくても妻はその話にけんもほろろ。特に喧嘩しているわけじゃない夫となぜ別れなきゃならないのさ。女がいるとバレて妻は夫、恭一の部下、愛人を訴えた。のちに後悔したように、夫への愛より、その女性への意地だった。
18年、気が付かなかった自分のうかつさと、夫への、愛と関心の薄さにもあきれていた。
一方、不倫裁判に負けたどん底の愛人。昭子は、友人の紹介するサイキッカー玲羅ねた。愛する人と別れさせられ

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「わたしは恭一と別れませんからね」  妻は言い切った。赤んぼを背負って昭子に会いに来た娘はののしった。彼は家にいて書斎から出ようとせず、食事も何もも積極的には取らず、口を聞こうともせ鈴、日々を過ごしていた、トムの地に来た。愛と贖罪か。

4 最終 
不倫裁判で引き離された恭一と昭子は二度と会うことは無かった。接近禁止の命令か。その不倫を裁判で激しくたたかれた恭一だが、昭子への深い愛と憐憫はあったのだろう。以後、妻とも娘ともほとんど口を利かずひきこもった。一方・失意の昭子は紹介を受け、運命をサイキックするという玲羅を訪ねた。そこで聞いたのは「この世の掟とあの世の掟 は違うのよ」という言葉だった。