『テオティカワンの古代都市』
メキシコ/文化遺産/1987/i.ii.iii.iv.vi
⭐️謎に包まれた巨大建築物群
テオティカワンは、2〜8世紀中頃に栄えた古代都市の遺跡である。
アメリカ大陸で最大規模のこの都市遺跡を築いた民族はいまだに不明。
都市域は36㎢を超え、人口およそ15万人を抱える大都市となった。
遺跡から400以上もの黒曜石の加工場が見つかっていることから、黒曜石の貿易を独占したことが繁栄につながったと考えられている。
16世紀にアステカ帝国を征服したスペイン人たちは、この遺跡の意味を理解できなかった。
現在でも遺跡の10分の1程度しか発掘されておらず、広大な都市部の大半はいまだ地中に眠っている。
文献などの文字資料がほとんど発掘されておらず、解読も進んでいないことから、実態の多くが謎に包まれている。
ほとんどの建造物の基壇は、「タルー」と呼ばれる傾斜した石壁と、「タブレロ」と呼ばれる垂直な石壁を交互に積み上げて造られており、この建築様式を「タルー・タブレロ式」という。
遺跡の南部にあるラ・シウダデラ(城塞)と呼ばれるメソアメリカでも最大規模の儀式城跡には、ほぼ中央にケツァルコアトルのピラミッドがあり、その外壁には雨と雷のトラロックと創造と文化の神ケツァルコアトルがまつられている。
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