見出し画像

2022年3月の読書録

読了

社会

・私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない(イ・ミンギョン)
難しい、と感想を言うことすら難しさを感じる、どう形容して良いのかとか、読んだ自分の感情を言語化するのを戸惑ってしまう一冊でした。
全面に出てくる格闘感というか挑まれてる感、これも表現のうちだと思うと、すごい。自分の素直な感想に自信がなくて、いろんなレビューを読んでしまう。

女性嫌悪に限らず、「なぜそれが差別なのか?」という議論は常に「説明を聞いてあげて理解してあげる」立場がありますよね。たまに自分もそうかも。
説明されないと分からないのは確かなんだけど、その親切な説明の受け手で居続けることに疑問がない人もいて、そんな時に自分を尊重しない相手との対話を打ち切る選択肢は自分が持っている、ということが重要なエッセンスなのかなと思います。

ビジネス

・アーキテクト思考(坂田幸樹・細谷功)
細谷さんの具体と抽象 を大学2年生の頃に読んでから大好きで、私の思考整理や構造化力の土台になっています。

そして建築の道に進もうとしている(進んでいる?)友人と会って話した時に、建築とITの話になって、そういえばどちらも要件を決めてものづくりをするという点で生み出し方が共通しているなと感じつつ、逆に何が異なるんだろうな〜と考えていたところ本屋でこちらの本を見つけて、これだ!と思って買いました。

アートとサイエンスの違いの章が面白かった。具体と抽象が好きだとハマりそうです。

歴史

・マンガでわかる地政学(茂木 誠)
COTEN ラジオを聞いてたら、地政学を勉強したくなって(?)とはいえ3月はお仕事を頑張っていたのでプライベートで小難しい本読むのはちょっと…というお気持ちでマンガ版。ハードルは低いほど良い。

地理的条件から国家間の情勢を考察する地政学、少しかじると今の情勢や歴史の理解の支えになって、「なんで今まで通ってこなかったんだ…」となります。
そもそも効率良く世界中にアクセスできることのビジネス・政治的な強さ、陸で囲まれているか海で囲まれている、半島かどうかで攻撃の受けやすさや守りやすさ、資源がどう循環しているかなど。

大学時代は戦後国際政治史を専攻しておきながら安全保障や平和学は正直苦手で優しい教授のおかげで卒業したみたいなところありますが、今また講義を聞きたい。

小説

・ランチのアッコちゃん(柚木麻子)
帯にも「ビタミン小説」と紹介がありますがまさにそんな感じ。
食べることがそもそも大好きなので、小説の中の描写がなんでも美味しそうで…ポトフが特に。
深夜食堂とか孤独のグルメとかと似てる。お腹がすいて、「ヨシ、明日も頑張ろう」系の小説。

作中の「一人で食事するより、誰かと一緒に食べた方が長生きするの」というセリフ、品数を多く食べられてバランスが良かったり、話しながら食べるので満腹になりやすいという理由らしいのですが、確かに理にかなっているなと思いました。
これを読んだ翌日に友達と行った回転寿司が特別美味しかった。🍣

・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(ブレイディみかこ)
回転寿司を食べた後に本屋にも行って、おすすめされて購入。

日本で日本人として暮らして、海外経験もそこそこ感度の高い学生相手の交流としていると人種の違いを日常で感じることってないなあと思いながら読みました。

格差・差別のトピックもそれぞれ学び深いけど、主人公となる作者の息子さんの感性が素直で知性があって、その世界の見方をさらに作者の言葉を通して追体験する感じが不思議な小説でした。同じ出来事でも同じように感じることがあるかなあ。と。エッセイすごい。

いくつも「そうなんだよな〜〜〜」とわかりみが深くなる名言があります。

「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」この一節とか。
そーなんですよね。。。多様性は素晴らしい世界のようで、易きに流れない人間の取り組みなんだよな〜。(この会話を親子でしてるの、すごい)

またすごく好きなのが『エンパシー』がはじめて出てくる章。

他者の靴を履く、と説明されるように、「自分の価値観や感じ方はそのままで、他者の目線にもなってみる』知的で意識的な取り組みと噛み砕かれていて納得します。

このエンパシー、「サービスやプロダクトを作るのに原体験は必要か?」というところにも通ずるものがあるなと。続編や関連書籍も読んでみたいです。

読みたい

https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/25Q680E5DLT5Y/ref=nav_wishlist_lists_2

今月は予約していた「プロダクトリサーチルールズ」と「歴史思考」が届きます。楽しみ。

その他

映画「Hidden Figures

これがめっっっちゃ良かった。有色人種の隔離政策があった頃のNASAで宇宙開発を支えた女性3名のストーリー。
主人公の3名のキャラクターも、その上司の本部長さんのシーンにも痺れます。

世界を前に進めるのに、人種も性別も年齢もない。

あと登場人物の家族愛が印象的。仕事に没頭しているし、職場でなにかしら闘ってもいるけど、家に帰ると生活があって、どちらも同じ熱量で大切にしている姿も含めて魅力的に感じました。

メモ

・今月は短編小説やライトに読めるもの多め。仕事に全力投球していたのでできるだけ業務を想起しない本を選んでいました。

・仕事で新しいトライをしていると、自然と学びが多くなるので、ガリガリインプットする欲が落ち着いている気がします。

・最近は少し理系科目をかじりたいです。本で勉強するのも良いけどMOOCやリカレント教育などちょっと気になる👀



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?