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僕にとっての宗教二世問題

宗教嫌いの日本人

 現代の日本人(主語が大きくてすみません)にとって「宗教」という存在がいかんせん触れがたい、どこかタブーのようなものになっているのではないかと思います。その一方で、日本人は七五三やお祭りでは神社に行くし、お葬式があったらお寺のお坊さんを呼ぶし、結婚式は教会で挙げます。これは「信仰」とはまた違って、ほとんど「文化」になっているものだと思います。

 でもほとんどの人はきっと誰も本気で神様を信じているわけではないし、仏様を拝んでいるわけではないと思います。ただ、そういう行事だからという理由だけで神社やお寺に行くんだと思います。海外の人(これも主語が大きい)からしたら、宗教を信じないなんてありえない、どうやって生きているの?なんて思われるほど日本人の宗教観は特殊だと思います。

僕にとっての宗教

 多くの日本人が宗教とは身近すぎず、かけ離れたものでもない距離感なのに対して、僕の場合は違います。僕は宗教を心の底から憎み、恨んでいます。自分のいた宗教から離れてかなり経ちましたが、やっとこの気持ちときちんと向き合うことができそうなので、noteを書くことに決めました。
 
 このnoteは宗教二世問題について僕が思うことを自分の経験も踏まえて書いていくことになります。どれだけの人が興味があって、理解してくれるかということは完全に未知数ですが、とにかく書き殴るように色々書いてみたいと思います。

日蓮正宗と僕


 僕は物心ついた頃から日蓮正宗という宗教に入り、毎週のようにお寺に通っていました。僕の家庭はシングルマザーで、もともと母親が創価学会に入っていました。親の知人が母を折伏(説得して改宗させること)したのをきっかけに僕も一緒に入信しました。

 日蓮正宗ってなんぞや、という人は別途調べていただけるとありがたいんですが、ざっくりいうと鎌倉時代の日蓮というお坊さんの弟子が作った宗教です。日蓮自体が他の宗教を完全否定して、とにかく改宗させろ!みたいな人なので、それに関する教義だけはすごく過激でしたが、特段そこまで問題になるような宗教でもありません。信徒も少ないし、知名度もそんなにないし、むしろほぼ無害です。
 さっきちらっと出てきた創価学会はこの日蓮正宗にもともとあった団体で、色々なトラブルがあって破門されました。

 日蓮正宗のことについてはこれから沢山書くことになるので、今はこのくらいにしておきます。

 話を戻して、僕と僕の家族について話します。

 僕の母親はゆるめの毒親です。心も体も弱く、何よりも頭が弱いです。
僕と姉、二人を抱えるシングルマザーというのもあって、家庭は経済的に不安定でずっと貧乏な暮らしをしていました。お金が本当に無かったので、よく電気や水道が止まっていました。暗い部屋でコロッケ一つを家族三人で分けて食べたときは子供ながらにすごく悲しかったのを覚えています。

 父親は母と早くに離婚をして、今はどこかで元気に暮らしています。
父も結構やばい人で、まったく働かずに母のヒモになっていました。一銭にもならない趣味にお金を費やし、愛人を作ってはよく遊びに行っていたそうです。(母親談)
 あとは殴ったり髪を掴んで引っ張り回すなどの虐待も受けましたし、母や僕と姉に包丁を向けて殺そうとしてきたこともあります。本当に人間お金がないと何をしでかすかわかりません。(これは宗教関係ありませんが)

 そんなどうしようもない親のもとに生まれて来たのが僕です。なぜ無計画に二人も産んでしまったのかと親を憎むと同時に、僕は生きているべきではない、そういう風に思って生きてきました。おかげさまで僕は反出生主義者の一人です笑

小学生時代の僕

 小学校の早い段階で僕は不登校気味になりました。宗教がなにか関係あるかと言われると微妙ですが、多分それも要因の一つではあると思います。

 お金がとにかく無かったので、学校で必要なものを満足に揃えて貰えなかったというのが子供心に辛かったのかもしれません。給食費を滞納したり、持ち物が他の子と比べてみすぼらしかったり、結構周りの目を気にするタイプなのでそういうのが嫌だったんだと思います。服もボロボロで、お風呂に入っていないのでめちゃめちゃに体臭がしていて、周りからも避けられていたんじゃないかと思います。

 そんなこんなで学校に行ったり行かなかったりを繰り返し、学力も徐々に下がり、人間関係も劣悪になっていきました。どんどん学校に行きたくなくなって、担任の先生や、相談員のような方が毎日毎日朝訪問してくるようになりました。
考えてみればありがたいことですが、その当時はそれも本当に嫌で、頼むから放っておいてくれ、という気持ちでした。

 

訪れた転機

 小学校5年生の頃、親を折伏した知人から提案がありました。夏休みの宿題が提出できなかったときは、その知人がしばらく僕と姉を預かるというものでした。
たしかそこそこ宿題はやったはずなのですが、やっぱり学校に行きたくなくて提出せずに終わってしまいました。その提案通り僕たち姉弟は知人のところに預かられる事になり、最初は一週間だけのつもりが一ヶ月、半年、一年と長くなっていきました。

 知人は僕の親よりは遥かにきちんと生活をしている人で、収入もわりとあったし、平均よりもいい暮らしをしていたと思います。信仰についても熱心な人で僕たちにもそれを求めました。日蓮正宗の信徒は毎朝毎晩に勤行という30分くらいお経を読む修行をする定めがあります。(その他に唱題といってとにかく南無妙法蓮華経を唱えまくるものもあります)

 知人の家から30分くらい歩いたところにお寺があり、そこでも毎朝毎晩勤行が行われていました。(教会で毎週ミサが行われるのの毎日版です)僕たちは毎朝5時くらいに起きて、そのお寺での勤行に参加していました。

 毎朝お寺に行くことで生活リズムが整うようになり、衣食住の環境がとても良くなったこともあって、毎日学校に行けるようになりました。

 とまあ、ここまではいいのですが……

ちょっと長くなってしまいそうなので、ここから先は次回以降に回そうと思います。

日蓮正宗での経験を書くにあたって

 これから何回かに分けてこの日蓮正宗での経験を書いていきますが、結論から言うと僕はこの団体からそれほど大きな害を被ってはいません。首相を殺そうと思うほど追い詰められた家庭環境ではなかったし、エホバの信徒よりは社会性を持って生活できていたと思います。

 多分僕は僕の周りにいた人たち(信徒)に対して強い憎しみを持っていて、それが宗教にも向いているのだと思います。そして、このnoteでは僕のその憎しみがどのように生み出されたのかを書いていこうと思います。

 宗教二世問題の一人の当事者として、拙いながら記録を残したいと思います。
そして、この記録がどのような形であれ、読者の誰かを勇気づけることができたり、何かのきっかけになったらいいなと思います。

 

最後に

 このnoteを書く上で、背中を押してくれたものが2つあります。

 1つ目は、いしいさやさんが描かれた漫画です。これはエホバの証人の二世信者の方が描かれた漫画で、二世信者問題が注目されるようになったきっかけの一つなのではないかと思っています。結構話題になっていたので、知っている人も多いですかね。

 2つ目は、まつこさんという日蓮正宗の元二世信者の方のブログです。
日蓮正宗の二世信者でこのような発信をされたのはこの方が最初なのではないかと思っています。もし他にもいたら誰かそっと教えてください。

 特にまつこさんのブログは最初から最後まですべて読んで、日蓮正宗あるあるのような感じで楽しめました。(楽しみ方がマニアックすぎる)
まつこさんの文章はとてもさっぱりしていて、すごく面白いので一読の価値アリです。こういう問題に興味がある人は特に楽しめると思います。

 この2つの作品(?)には勝手にすごく感謝しています。
自分自身のことについてこんなに赤裸々に話すのは本当に怖いのですが、その背中を押してくれた作品です。ここでしっかり紹介しておかないと、と思ったので載せました。

 次回がいつになるかわかりませんが、忘れないうちに書きます。
コメント等、何か反応があると励みになるのでもしよければ残していってくれると嬉しいです。


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