エッセイ#4「母からの便り」
携帯電話が鳴った。スマホの画面を見ると、地元に住む母からだった。母との電話のやり取りは、年に一度あるかないかである。だからといって別に仲が悪い訳ではない。とにかく母は忙しい人なのだ。色々なボランティア活動に参加し、一年中走り回っている。だから、私から電話を掛けても、中々母は捕まらない。しかし、ひとたび電話が繋がると、母の話は止まらない。しかも内容はどうでもいい話ばかり。二時間以上は軽く超えてしまう一方的な母との会話は、私にとって少しハードルが高い。結局、私から電話を掛けるこ