性病を通して学ぶ己の人間性

良い恋愛をする上で、恐らくだがこの手の話は不利になると思うので、今後表立ってこの話をする事はないだろうと思う。

そのためこの場で綺麗に成仏させてあげたい。
そんな思いで書き記す事にした。

自分は元々恋愛経験があまりなく、人を恋愛的に好きになった経験がほぼない。

そんな私が初めて好きになり、きちんとした交際をしたのが元恋人のKだった。

Kとは元々友達で、5年ほどの友達関係の末、2年ほど交際した。

しかし日を増すごとに私たちの関係は冷えていき、ちょうど交際してから2年が経とうとしていた頃だった。

前々から生理痛が重かったり、その他気になる症状があり、子宮の病気ではないかと不安になった私は婦人科を受診した。

検査をしてもらったところ、子宮には問題がなく、「性病」の可能性が高いとのことだった。

Kとしか経験がなかった私は、「まさかな」とあまり不安に思っていなかったが念のため検査を受けた。

結果が出るまでに時間を要するらしく、数日後問題があった場合に連絡すると医師に言われた。

そのまさかだった。
予想は外れ、数日後医師から電話があった。

「クラミジア」

聞いたことがあるが、どこかで自分とは縁のない病気だろうと思っていた。

私は再度病院に行き、治療の説明を受けた帰り道どうしたものかと考えた。

今なら、何を躊躇する必要があるのか、
その場で電話をして、事実確認をとるべきだと思えるが、

当時の私は違かった。
事実は伝えたが、何も聞かなかったのだ。
怒りもせず、治してくれればいいよと柔らかく伝えた。

今思えば、これは弱さだったなと思う。
そして柔らかく伝えた気になっていた事に、かなり問題があったように思う。

当時の自分は、本音を言えばすぐにでも泣き出しそうだった。

当時結婚や、子供を身近に感じていた私は
医師から「長い間気が付かずに病気が進行すると、妊娠しにくい身体になる」と聞いた。

それがとても怖かった。

そのため物凄く傷ついていたし、
相手を少し軽蔑していたように思う。

それ故に柔らかく伝えたのだ。
感情的になる必要のない相手だと、心のどこかで馬鹿にしていたのだ。

その後Kは、治すよう促す私の話を聞き流しながら、これについては謎なのだが、2ヶ月間その病気と共に生活をしていた。

Kの人間性も多少問題があるような気がするが、
この話においてそれはあまり関係はない。

問題なのは、相手を軽視した事により、結果として軽視され返されたことにあるのではないかと今の私は考える。

私が軽視をせず弱さに向き合えば、後の傷は防ぐ事ができたであろう。

しかし私には感情的になり、対等になって話をするという選択肢はなかった。

ここには「怒る価値もない」という隠された敵意がある。

相手より大人な対応をした気になり、相手を軽蔑しながらも自分が優位に立つような会話をする。

その結果全て壊れるのである。
私は人と向き合う気がなく、
感情を他人に剥き出しにする事を極端に恐れている。

怒りや悲しさを必死に隠し、
その感情を生み出す原因となった相手を悪者に仕立て上げ、敵視しているのだ。

この事を自覚するような出来事が過去に何度かあり、何度目かの人間関係の崩壊により私はこの恋愛を振り返った。

根本的な問題や解決策は未だ見つかっていない。
どこを治せば、より生きやすくなるのだろうか。


ここに記した苦い恋愛は、それから2ヶ月後のKからの一本の電話により終わるのだが

結果として良いエネルギーや気づきになったので
今では少し感謝している。

もう二度と関わる事はないという現実を前提に。



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