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空を自由に泳ぎたいパンダ

私は理系学部に進学し、今年で4年目を迎える。研究室に配属されてからは、毎日のように化学分析と向き合っている。

よく、理系学生は文系学生を下に見ていると思われがちだが、全くそんなことはない。文系学部に進んだ友達で、会うたびに「私なんか…」という枕詞がついてしまう子がいる。少し寂しい気持ちになる。

上手く言えないのだけれど、優劣をつけようのないものだと思っている。私たちは違う道に進んだだけだ。文系に進んだ子は、私にできないことをやっていると思うし、私も同様に、彼らにできないことをやっている。イルカとパンダ、プテラノドンとティラノサウルス、そのくらい比べる必要なんてないんだと思う。世界には優劣のつけようがないものがたくさんある。

そんなことを言いつつも、最近、他の大学の学生がたまらなく羨ましくなった。

Youtubeを眺めていたら、この動画がたまたまおすすめにでてきた。
秋田公立美術大学とにかほ市の共同プロジェクトの動画だ。

雪を画材にして絵を描いてみたり、木に唐揚げをくくりつけてみたり、雪の中、タッパーに生クリームを入れてアイスを作ってみたり。

何がいいとか、何が正しいとか、お構いなく、やってみようという感じがすごくいいと思った。

なんでもありな感じ。
なんでもやってみようという雰囲気。
先生もそれを見守る環境。

殺伐としたゼミ。
失敗や間違いに寛容じゃない雰囲気。
挑戦する間もなく、先生の訂正が入る。

私の生きる環境と全く違う。

彼らはきっと自分の表現、創造について、常日頃、考えていて、その中で悩むことだってあるはずだ。これが彼らの学び。たぶん先生も自由な発想を大切にしているんだろうな。

対して、私は研究の糧になることをまじめすぎるほど、追いかけている。最近は窮屈になって逃げたくもなった。最先端の設備と素晴らしい先生の元で勉強できるのだから、恵まれていると思うけれど、たまに苦しい。

イルカとパンダ、プテラノドンとティラノサウルスのように、比べてもしようがないのかもしれないけれど。
そんな風に自由に泳げたらなとパンダは思う。

試しに、今年のゴールデンウィークは、自由にやりたいように過ごしてみようかな。


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