見出し画像

折りたたみ傘

なかなか梅雨に入らないので、今年は空梅雨かと心配していた。思ったよりちゃんと降ってくれて安心。

農業用水は国内の水消費の約7割を占めている。年間で水の消費が多い時期は、田んぼの湛水のころ。通常は湛水で使用した分を梅雨で補うことができるのだけど、空梅雨だと、夏に水不足になる。

利水に関する授業でこのことを学んでから、梅雨を待つようになった。梅雨がなかなか来ないと心配になる。おぼろげだけど、授業で学んだことはちゃんと身についてるみたい。

今日は大学の帰り道に、結構な雨に降られた。折りたたみ傘を持ってきていたので、濡れずに済んだが、1人分ジャストサイズなので、どこか心もとなかった。

私の先を歩いている人は、傘を持っていなくて、びっしょり濡れていた。傘を差しだす勇気を持ち合わせていたら、よかったのに、実際に行動に移すことができなかった。端っこでオドオドしているのが、わたし。

女子高生の時の出来事を思い出した。
ある日、電車を降りると、雨が降っていた。
高校まで15分。歩いているうちにどんどん雨が強くなっていった。こういう日に限って、傘を持っていない。友達の傘に入れてもらえたらいいのだけど、こういう時に限って、友達が見つからない。

信号待ちで、狼狽えていたら、同じ高校の子が傘をそっと差しだしてくれた。彼女も私も気恥ずかしかったけど、案外、相合傘は悪くなかった。小さな折りたたみ傘に、肩をすぼめて歩いたので、高校の教室に着いた時にはどっと疲れた。きっと彼女も疲れていただろうな。でも、5年経った今も覚えている。とってもうれしかった。

彼女の顔は思い出せないけど、この出来事はずっと覚えていると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?