褒め言葉
恋人は、よく私に優しいねと言う。この間は、良い子だね、と言われた。
どんな人がタイプなの?と聞かれて、優しい人と答える人も少なからずいるだろう。人当たりがいい。需要もある。いいことではないか。
それでも私は、優しい人ねと言われたくない。
優しいは褒め言葉か
私の中で、「優しい」は自動で「都合のいい」に変換されてしまう。この間より強く思った。
つい2週間ほど前、2019年12月30日に恋人が家に来た時の話である。
恋人は、去るクリスマスに私へのクリスマスプレゼントを忘れてしまい、それを渡したいから家に行きたいと言った。
ところで、私がアパート住みで向こうが実家なので、泊まる時はいつも私の家である。私は当日にお泊まりが決まることをものすごく不快に感じるタイプで(過去にいろいろあった)、泊まる時は前もって言ってねとは言っていなかったが、暗黙の了解で事前連絡をするのが当たり前だった。
はずだった。
12月30日、15時すぎに家に来た恋人からプレゼントを受け取り、イチャイチャし、20時ごろになった(いつもそんな感じである)。
今日は泊まるって連絡なかったし、私は明日実家に帰るし、今日は帰るかな?と思っていたが、向こうは泊まっていい?と言い出した。
え?
その時点で(なんで急に言うん…別に隠すものとかもないしええけど、こっちも準備あるのに…)と思ったが、まぁ2人で居たら一緒におりたくなるわな、今年最後やし、突発的な思いつきやろうし、ええか、と泊まることを許した。
しかし、だ。
いざ向こうがお風呂に入る時、急なお泊まりやし着替えとか持ってきてへんのちゃうか、と思い、「(下着とか買いに)コンビニ行く?」と聞いた。すると、
「オレ、実は着替え持ってきてんねん」
は?
最初から泊まる気満々やったんか…!
泊まるのはいい。でも、ここは、私の家である。私の家であって、あなたの家ではないのに、どうしてあなたが泊まることを前もって言わずに決めてるのか。泊まる時は事前に連絡してねと言ってこなかった私も悪いが、まさか、そこを破られるとは思わなかった。
怒りと悲しみが湧き、感情がごちゃ混ぜになった。
恋人がお風呂から上がってから、私はさっきまで腸が煮えくりかえるような感情をオブラートに何重にも巻き、言った。
「私、急に泊まられるんあんまり良いと思ってないねん。やから、次から泊まる時は前もって言うてな。」
恋人は、うん、わかった、○○(私の名前)に甘えてた、ごめんと了承してくれた。
だがその後
「○〇は優しいね」
彼は言った。
は〜〜〜?
私は優しいから許したのではない、というかなんなら許していない。だってこうしてnoteを書いているんだもの。
甘え過ぎてたと言うってことは、今まで私が許してきたから、今回みたいに突然泊まっても許してくれるやろと思ってた、というニュアンスなのだと解釈した。
あと、相手は私が何に怒っているのか、どれくらい怒っているのかちゃんと分かっていない気がする。私が言っていない気もするが。
あと、一緒にいたい理由が、「○○と一緒にいたいから。ダメ?」
聞き方もズルい。でも、その聞き方はイラッとした。今怒ってるんだわ。
なにより腹が立つのが、怒っているということを相手に伝えられない自分。
もう、怒りより、悲しい。相手の行為にも、相手自身にも、自分にも。
都合のいいやつ扱いされてるような、そんな空虚な気持ち。
だから、優しいなんて言わないで欲しい。○○は都合のいいやつだね、オレの言うこと聞いてくれて、に聞こえてしまうから。
恋人は褒め言葉は言葉通り受け取るのが1番!というけれど、こんなことがあって、誰が素直に受け取れようか。
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