「水曜どうでしょう」ってどうでしょう?
ここ最近、夜はCSで再放送している「水曜どうでしょう」を見てから寝るのが習慣になっている。あの肩の力が抜けるようなグダグダ具合が就寝前のリラックスタイムにちょうどいいのだ。この記事を読んで少しでも興味を持ってもらえたら嬉しい。それでは本題に入ろう。
ざっくりした概要と出演者
「水曜どうでしょう」は北海道テレビ(HTB)制作のローカル深夜番組。
内容としては、かなり無茶な旅の目標をたて、道中で起こるみみっちい小競り合いや罵り合いと行き当たりばったり具合を楽しむものだ。出演メンバーは以下の通り。
大泉洋
今や大人気俳優としてドラマに映画に引っ張りだこの彼だが、放送開始当時は北海道在住の23歳の素人大学生だった。
「またしても何も知らない大泉洋」というネットミームがあるように、企画の内容・持ち物・行先などほとんど知らされないままロケが始まる。なんなら拉致られる。もし事前連絡があったとしても、大体ドッキリを仕掛けるための罠である。
そのため勘で荷造りするしかなくアラスカへは海パンにマントを羽織って旅立ち、ノルウェーでのロケはTシャツ短パン姿だった。
周りからの無茶ぶりや雑な仕打ちにぶつくさ不平不満をボヤく様子が最高に面白い。また時に冷静に企画の甘さを指摘する時もある。
鈴井貴之
大泉の所属事務所「オフィスCUE」の社長で、現在は会長。
番組内ではミスターと呼ばれており、その由来は「212市町村カントリーサインの旅」にて大泉が、ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄のように水曜どうでしょうの象徴(不運や不幸を指す)として彼を「ミスターどうでしょう」と呼んだのが始まりである。
なのでサイコロ運やくじ運が絶望的だったり、ベトナムロケではディレクター陣&大泉と繋がる通信機を落としたりなど威厳が皆無なトンデモやらかしをするダメ人間としていじられる事が多い。
さらに甘い物、特にあんこ系が苦手なのに「甘い物好きキャラ」とされ、半ば強制的に食べされられる「ミスター生き地獄」芸も注目だ。
藤村忠寿
髭と太った体型に豪快な笑い声が特徴的なディレクターで、演出・企画を担当。
そのため「行きたい場所でロケをし、やりたい事をやって上記の出演者2人に無茶ぶりをしその醜態を笑い、画面外から茶々を入れる声を惜しげもなく収録する」といった自由すぎる番組スタイルが誕生した。特に大泉との小競り合いはどうでしょうの名物である。
かなりの甘党な上に早食いが得意な事から「魔神」と呼ばれている。自身の趣味まる出しの企画「対決列島(甘いもの国盗合戦)」では大泉からの野次に流暢に対応しながらきりたんぽを丸飲みしたり、寝起きなのに凄まじいスピードで水羊羹1本を完食するなどびっくり人間ぶりを披露した。なおこの企画の反動で甘い物に飽きてしまい、しばらく体が受け付けなかったという逸話もある。
嬉野雅道
本作のディレクター兼カメラマンで、どうでしょう班きっての癒し系。藤村Dとは違い、番組内で喋る機会は少ないがインパクトは絶大である。
「マレーシアジャングル」で、真っ暗闇の中カメラで捉えた謎の動物を「虎ではないか」と思い浮足立つが、実際は大きめの鹿だった時に出た名言「シカでした」を筆頭に数々の名言を生み出している。
実はカメラを回していない所ではお喋り好きで、大泉と相部屋になった時は遅くまで雑談に花を咲かせているんだとか。そのせいもあってか、ある意味大泉やミスターに一番辛辣な事を言うのは彼である。藤村Dと一緒に配信しているYouTubeチャンネル『藤やんうれしーの水曜どうでそうTV』でも楽しげにトークしている様子がうかがえる。
上記の4人以外に忘れてはいけないのが、準レギュラーである安田顕だ。
大泉と同じ劇団TEAM NACS所属で、番組内ではHTBマスコットキャラonちゃんのスーツアクターとしてお馴染み。しかし番組に出演すると、殴られ蹴とばされ車に詰め込まれるなど散々な目に遭うのがお約束。
「シェフ大泉 車内でクリスマスパーティー」で、同じくHTB制作の情報番組「早起きくまさん」に出演した際は、泥酔した大泉&ミスターにフルボッコにされ始末書騒動に。安田顕として「対決列島」に出演し、牛乳早飲み対決をした時は勢い余って飲んだ牛乳を吐き出してしまうなど伝説を残した。
オススメ企画4選
数多くの企画で個人的に好きな物をいくつか紹介しよう。
一部を除いてHTBオンデマンド・Netflix・U-NEXTで配信中なので気になる物があれば是非チェックして欲しい。公式オンラインショップではDVDも発売中。
①アラスカ半島620マイル
この企画の見所はなんといってもシェフ大泉だろう。
無茶なロケスケジュールの中で自炊をしなければいけない状況になったどうでしょう班。そこで唯一料理ができる大泉に調理担当を任せた事がきっかけで生まれた迷キャラクターだ。
しかし彼は「献立全てを並行作業で調理出来ない」という致命的な欠点があった。手際も悪いため調理終了まで2時間かかるのはざら。
パスタを作れば茹ですぎでふやけてしまい、餅のような食感になってしまう。これに対して嬉野Dは「なんでそんなに増えたんだよー」「ヤキソバみたいになってんじゃんか」という名言を生み出した。
挙句の果てには出来もしない癖にやたらフランベをしたがる。そのせいでキャンピングカー内の火災報知器を作動させたのだ。
お世辞にも「美味しい」とは言えない料理の数々に、大泉とスタッフは罵り合い、ミスターは「アラスカまで来て何しているんだ…。」と企画に疑念を抱き家族を思い出して涙ぐんでしまった。
どうでしょうの基礎要素が確立された企画からなので、よく知らない人・初めて見る人は是非オススメだ。
②ヨーロッパ・リベンジ
「ヨーロッパ21か国完全制覇」で回れなかった北欧方面の国々をレンタカーで巡る企画。「メルヘン」というテーマの下行われたが、いくつか事件が起きた。
真冬のドイツ・ザバブルグにて大泉&嬉野Dの提案により先に夕食を取ったはいいもの、宿が決まらないまま夜12時を回ってしまった。その結果、道端で「おい!このバカヤロー!!よく聞け、いいか、ここをキャンプ地とする!」という藤村Dの怒号が響き渡り、野宿を余儀なくされたドイツテント事件。
フィヨルドが見たいがために、ほぼ走りっぱなしの過酷なルートを選んだどうでしょう班。ロヴァニエミへ移動中、後部座席で暇を持て余した大泉がいきなり音楽に合わせて膝を叩き大声ででたらめな歌を歌い始めた。さらには雨が降る中、窓から身を乗り出し「母さ~ん、僕は今、北極圏にいまぁ~す!北極圏は今日も雨で~す!!」と意味不明な言動が印象的な大泉崩壊事件などがある。他にも全編ノルウェーロケで行われた連続テレビ小説(という茶番劇)・フィヨルドの恋人にも注目してほしい。ミスターの迫真の演技や美しい景色に感動すること間違いなし!!
③四国八十八ヶ所シリーズ
地理や歴史を学ぶ「試験にでるどうでしょう」で失敗した罰ゲームとして、番組を見ている受験生の合格祈願のために行われた名物企画で全3回。
ただ車で巡ったとしても最短で10日間~半月かかってしまうため、熱心なお遍路さんに確実に怒られるだろう特別短縮ルールに則って行われた。
本企画の見どころは45番・岩屋寺で毎度のように起こる小競り合いである。1回目は空腹に耐え兼ねた大泉がスタッフの菓子パンを盗み食いして子供の喧嘩のような醜い争いを繰り広げた。この一件は普段は寡黙な嬉野Dが、この企画後のアメリカロケで蒸し返す程の騒動となった。食べ物の恨みって怖いね。
2回目も懲りずにパンを横取りし藤村D激昂。嬉野Dは最初こそ穏やかに宥めていたが、悪びれもせずに自分の分まで食べ始めたのでとうとう激怒。大泉は2人に強い口調で非難に逆上する暴挙っぷり。さらには今までの悪行に天罰が下ったのか、タイヤがパンクしてしまう始末となった。
三回目はミスター&ヤスケンも一緒だから穏やかに巡礼出来る…と思ったら大間違いだ。運転中の大泉に藤村Dがしつこくみかんを食べさせようと試み、「盛り上げ方が強引じゃないか」とぼやかれて開幕。やってる事が子供である。
余談だが、第二弾で魔除けの数珠を忘れた事で起きた怪奇現象を題材にしたドラマ「四国R-14」も要チェックだ。結構シャレにならない怖さだぞ!
④激闘!西表島
前作「ジャングルリベンジ」にて大泉が「もっと荒々しく、男らしい事がしたい。スペインの牛追い祭りなんかが良い」と言った事から始まった企画。
大泉&ミスターは期待に胸躍らせ企画発表に臨むも、西表島でのむし(虫)追い祭りをすると言われるのだった。
しかし現地に着いたら今度は観光ガイドのロビンソンに「虫なんか追っかけてもつまらない。」の一言であっさり現地の生き物を捕まえる競争企画に変更。この様に彼に振り回されながら進行していくのだ。獲得ポイントに関しても、ロビンソンの判断が優先される。
なお、この時の彼らはいつもの倍以上の酒を飲んでおり、藤村Dは10時間以上飲んで地元民をちゃん付けで呼ぶほど意気投合し、ミスター&ヤスケンは泥酔して残念な失敗をして、それぞれ前枠・後枠でいじらた。西表島まで来て何してるんだこいつら。すっかりバカンス気分だが、彼らはこの後の過酷な展開をまだ知る由もなかった。
さらに夜釣りをした際は「魚が逃げてしまうからライトは消して」と指導が入り、あかりは街頭と手元の懐中電灯のみに。その結果、真っ暗画面にテロップ表示というテレビ番組としてはあり得ない絵面が出来上がったのだ。
ちなみにライトアップされるのは魚が釣れた時だけである。
本企画を見てから、現在配信中の新作「懐かしの西表島」をチェックするとより楽しめるぞ!
いい意味でも悪い意味でもありのままの姿を収めた本番組。上記で挙げた企画以外にも良作揃いなので、年末年始のゆったりタイムを「水曜どうでしょう」と共に過ごしてみてはどうだろうか。
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