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HRナレッジ④ 残業代

2023年4月から残業代の法定割増賃金率が一部変更となる。
現在定められてる割増賃金率および4月から追加となる点は下図の通り。
なお、この追加変更に伴い就業規則の変更も必要のため注意したい。

「みなし残業代〇時間」と設定されている会社は、その残業時間を超えた部分から上記が適用。
(深夜労働、休日労働は除く)
これまで上図の「※」は大企業のみ適用だったが中小企業も適用される事となる。

さて、上記の変更により就業規則を変更する際、同時に労使協定締結まで
目指して盛り込んで頂きたいのが「代替休暇」という制度である。

代替休暇とは?
1か月に60時間を超える時間外労働を行なった従業員は、
割増賃金の代わりに休暇を付与する事も選択可能とする制度。

【具体例1】
Aさんが1か月に76時間の時間外労働をした場合、本来は16時間分について50%の割増率が適用されるが、以下の計算式で代替休暇時間を算定できる。「80時間を超えた時間数」 × 代替率(代替休暇非利用時の割増率:50% ー 代替休暇利用時の割増率:25%)
結果、代替休暇時間として付与する時間は(76−60)×0.25=4時間となり、従業員は半日の代替休暇を利用する事が可能となる。

【具体例2】
Bさんが1か月に80時間の時間外労働をした場合、代替休暇は5時間だが、
半日4時間の代替休暇取得では消化しきれず、1日8時間の代替休暇取得では足りない。この場合、代替休暇を半日取得および残1時間は割増賃金を
適用するか、翌月の残業時間に上乗せする事も可能
となる。更に労使協定で
「代替休暇は割増賃金を考慮しない通常賃金を支払う休暇と合算して付与する事が出来る」と定めた場合、例えば、時間単位の有給休暇と代替休暇を
合算して1日または半日の休暇を付与する事も可能
となる。

以上。

本件の注意点は、この代替休暇の取得判断は労働者の意思次第である事。
一方、代替休暇も選択肢に入れるためには、労使協定締結も含む就業規則の
変更を忘れないようにすべきである。

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