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とマとマとマとが穫れないの。

こんにちは!とまちゃんです。

春の風も吹いてきて暖かくなってきました。みなさんはいかがお過ごしですか?


さてさて、今日はうちの看板商品でありメインブランド、そして私とまちゃんの推しトマトである「とマとマとマと」が、今なかなか穫れないお話をしたいと思います。
ちょっと苦しいよってお話です。

とマとマとマとの特徴はなんといっても糖度が高くて甘いこと!現在糖度10度~11度くらいです。イチゴやスイカと同じくらい!そして、甘いだけじゃない。濃厚なうまみも超おいしいのです。

そしてそんなおいしいとマとマとマと、冬に食べられるというのも特徴のひとつ!夏に定植(苗を植えること)して、秋から収穫しはじめて、12月くらいに濃縮した味になって、「とマとマとマと」ブランドとして販売します。そこから、冬・春を通じて6月末くらいまで収穫・出荷をします。

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夏のイメージが強いトマトだけど…


実は、今の日本のトマトのシーズンは春と秋なんです!
トマトを栽培するのにちょうどいい温度が、日中だと23℃~28℃と言われているんですが、最近の夏余裕で30℃超えるんで、暑すぎてトマトも枯れちゃう。寒冷地か、ハウスに冷房があれば栽培できるんですが、一般的にも少ないです。みなさん、今年の8月、スーパーのトマト売り場見てみてください。ほとんどトマトは出てないです。あっても北海道とか長野の寒冷地のトマトくらい。

対して冬。温度が下がるので、通常トマトに適している環境ではないのですが、ハウス内、暖房を焚くことで温度を上げ、栽培することができます。

とまちゃんの会社ベジ・アビオでも、冬はハウスで暖房焚いて25℃くらいにして、栽培をしています。今年は油代が高くてほんと泣きそう😇


さて、暖房焚いて春や秋と同じようにトマトが穫れるかというと、そうではない…

特にベジ・アビオでは今シーズン、予定収穫量を下回っています。お客様には、出荷量を少なくさせてもらったり、一時出荷停止にさせてもらったり…。「冬の新潟で甘くておいしいトマトを出荷できます!」とうたってトマトを置いてもらったり、使ってもらっているからこそ、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいで、追加収穫して、それでも出荷できるトマトは少なくて…泣く泣く頭を下げてお詫びをしているこの冬です。

なぜこんなことになっているのか。

そもそも、新潟県は冬期のトマト栽培はさかんではありません。創業者はそこがブルーオーシャンだ!と目を付け、この事業を行っています。
でも、何事もさかんでないには理由があり…。

大きな理由は冬の日射量の少なさ。

新潟に住んでいるみなさんは大きく何度も頷いたことでしょう。ウンウン。もともと晴れが少なくずっと曇ってる新潟、ついには「雨降ってなきゃ晴れ」という新潟独自の晴れ概念まで形成されたほどです。冬は特に日射が少ない!

トマトが育つには温度が必要ですが、生長の中でも赤くなるには、実の「積算温度」が重要。実が温度をどんどん積んでいくことで赤くなるのです。青いトマトをあったかいところに置いておくとだんだん赤くなるのは、収穫後も積算温度を積んで追熟しているから、なんですね。

トマトの実が温度を積むためには、ハウス内の温度もそうですが、日射が実に当たることで環境以上の温度を積むことができます。人間も、車に乗っていて日差しが強いとき、外の気温寒くてもあっつくなることありますよね。それくらい、日の光のエネルギーって強いんです。

そのため、気温の低い冬でも日射があれば比較的収量は安定して穫れます。関東、四国、九州、東北も太平洋側であれば栽培しやすいです。

新潟ってめっちゃ条件悪いじゃん…

だからこそ栽培している農家さんは少ないし、だからこそのブルーオーシャンなんです。

画像2雪は好きだし綺麗なんだけどね…

でも、なんとかその問題を解決したい。

今年は収量が「少ない」ですが、実は、去年やその前は、冬期の収量は壊滅的でした。ほぼ「ない」だったのです。今年は気候以外の問題、例えば栽培管理不足による生理障害とか、病害虫の発生とか、そういった問題をできる限り無くすよう徹底しました。まだまだ課題は多いのですが、今できる万全の体制で冬を迎えたのです。

来る2022年の冬、新潟市北区のお天気は、去年ほどのドカ雪こそ降らないものの、ずっと降ってる。解けたら降る。もう終わったかと思ったら降る。ねぇ一体いつまで降るの!?と天に向かって中指突き立ててました。(ウソ)
つまり、空にはずっと雲。ちなみに外気温も低かったです。2月の平均気温は昨年対比5℃も低かった。そりゃ油代もかさむわけだわ…😇

結果、頑張って日射を稼いでも予定収量には届かず。「とマとマとマと、最近見ないねぇ。」というお客さんの声があるたび、食べたいと思ってくれているのに出せない…悔しかったです。

今年の冬の気候が来なければ、と思いますが、正直来年もどうなるか分からない。気候のせいにはできないのです。でも求めてくれるお客さんがいる。届けたい。

対策としては、現在LED補光の試験導入をして、冬の日射量を補えるか実験をしています。あとは、少ない日射量でも光合成を促進できる栄養剤も導入。それと、カーテンなどの環境調整で、少しでも日射を多く取り入れる冬に入るまでの栽培管理の徹底や病害虫の予防ももちろんします。

ベジ・アビオが設立してまだ5年。まだまだできることはあると思います。壁は高いですが、乗り越えたい。どんどん情報を集めて、試していきます。

冬に甘くておいしいトマトを安定的に作るぞーー!


とまちゃん

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