富士山の見える家

どんよりとした曇り空。
我が家の窓からは、贅沢にも富士山が見える。
遠くても堂々と佇むそのシルエットは、
何があっても大丈夫と語りかけてくる。

引越しの時、なぜか富士山が見える場所がいいなと、
ぼんやりと思って、そして出会ったこの家。

夫と色々な物件を探し回り、
やれキッチンがどうだ、鬼門がどうだと考えるうちに、
すっかり「富士山が見える家」という、
今回のテーマを忘れてしまっていた。
そして最終的に見つけた今の家に入った瞬間、
なんとも言えない心地よさを感じて、
直ぐに契約まで進んだ。

住み始めて2、3日が経ったある日。
仕事中に夫から「ベランダから富士山が見えるよ」とメールが。
忘れていた、そうだ、富士山の見える家を探していたことを…

願いや思いが叶うタイミングは、
忘れた頃にやってくることが多い気がする。
あまり気負わず、「そうなったらいいなぁ」くらいが丁度いいのかもしれない。

この時期、冬化粧をした富士山の山肌がとても色っぽい。
特に、朝焼けに照らされた山肌の陰影はうっとりする。
朝のコーヒーと富士山。
次は、もっと近くでこのコーヒーと会いに行きたい。


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