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【今週の空き家のすすめVo.1】京町家における改修補助金の心得

こんにちは、トマルバの河村です。

トマルバにて主に京町家や古民家などの空き家活用とエリア再生の事業を担当しております。空き家を住宅や店舗、ゲストハウスなどに活用する際には用途に合わせたリノベーションをすることが前提となります。
これまでの空き家活用、エリア再生において、空き家オーナーの皆さんの補助金申請をサポートすることがあります。

今回は、京都市が毎年公募している京町家に対する改修補助金、維持修繕補助金に関して当社のノウハウをお話しようと思います。

公募ページから京都市が補助金支援する意図を理解する

冒頭でも述べたように京都市では毎年、京町家限定の補助金を支給しております。補助金というと、「細かい書類を記載して、事務処理が大変な作業だと考える方もいらっしゃるかと思いますが、京都市においては、京町家をできるだけ多く残していこうという活動がされているので、京町家認定されることで今後、改修や維持修繕を定期的にするにあたり、優遇されることが多いです。

こちらの京都市のページに京町家改修補助金の意図がまとまっております。

まとめると古い京町家を壊して新築を建築するのではなく、京都の趣のある町並みを守るために補助金を出すので、京都の景観を一緒に守っていきましょうということです。

京都市が支援している改修補助金

京町家の改修補助金が出るパターンは、「指定された地区内の京町家」と「個別に指定された京町家」あるかの2パターンあります。

まず一つ目は、「指定された地区内の京町家」
「指定された地区内の京町家」とは、京都市が定めた京都の町並み、歴史・文化を感じられる区域内にある京町家で、京町家の定義を満たしていれば、京都市に個別に京町家だと認定されなくても補助が受けられます。

こちらに指定地区の位置図がありますので、ご覧ください。

京都の趣のある町並みを特に残したい地区なので、主に京都市の中心地になる五条や四条、主要観光地でもある祇園や先斗町といったエリアが指定地区のエリアとして定められております。
指定地区は今後も増えていく可能性もありますので、京都市のホームページを確認してみてください。

2つ目は、「個別に指定された京町家」
「個別に指定された京町家=個別指定京町家」とは、京都市が京町家として認定した建物に対して補助が受けられます。

京都市内ならエリア関係なしに指定京町家として認定される可能性がありますので、京町家を所有している方は、一度、申請をしてみてください。
当社では、申請のサポートもしておりますので、何かお困り事があればお問い合わせください。

さて、先ほどから京町家、京町家と言っているが、そもそもどのような建物が京町家に認定されるのかというと、京都市では下記を京町家の定義としております。

上記の条件を満たしたからといって、確実に個別指定京町家に認定されるわけではありません。
最低限上記の条件を満たした中から、指定の必要性(趣のある町並みや生活文化の状況)等を踏まえて検討を行い、選定します。

国や自治体が支援する補助金には、目的があり、その目的を達成するために補助金として一定の金額を支援することを念頭に置いておきましょう。

京都市が支援している改修補助金

ここからは具体的に補助金の内容のお話をします。
京町家補助金に関しては、主に2つの補助金制度があります。

①指定京町家改修補助金

京町家条例に基づき「指定された地区内の京町家」や「個別に指定された京町家」を対象に,京町家の保全・継承に必要となる修理・修景工事,設備改修工事等にかかる費用の一部を補助します。

指定京町家改修補助金の概要

指定京町家改修補助金は、毎年補助が受けられる補助金ではなく、個別指定京町家1棟で上限250万円まで補助金が受けられます。
例えば、今年が100万円しか活用しなかったら、また来年150万円までは申請できるようになっております。

もう一つが、維持修繕補助金になります。

②維持修繕補助金
京町家条例に基づき「個別に指定された京町家」を対象に、日常的な維持修繕にかかる費用の一部を補助します。

個別指定京町家 維持修繕補助金の概要

こちらの補助金は、個別指定京町家に限定され、上限額30万円と少ない金額となっておりますが、1回限りだけの補助ではなく、改修箇所が異なる場合は、毎年でも補助が受けられる可能性があります。

京町家としての条件を満たし、改修図面や工事内容、見積りの準備ができれば、いざ申請手続きに進みましょう。

京町家改修補助金については、国が公募する補助金とは違い、京都市の担当と事前相談をした上で交付申請を進めることができるので、そもそも補助になり得るのかや申請書類に不足がないかなどを確認した上で申請を進めることができます。

そのため、補助金を活用したいと考えている方はなるべく早い段階で一度京都市に相談することをおすすめします。申請の手引き書に必要書類などは一通り記載はされておりますが、事前相談することが申請の必須事項なので、早い段階で京都市の窓口に行って相談しましょう。

今回は、京都市の京町家に関する補助金のことについてお話しましたが、何のために自治体が補助金を出すのかを理解するだけでも補助金を活用する責任や町並み、歴史・文化を感じられる京町家により思い入れが深くなるのではないでしょうか。

まとめ

京都市が京町家限定でこれだけの補助金を出すということは、今後も京町家を残していきたいという思いがあり、自治体と一緒に京都らしい町並みを保つことで京都の魅力を発信していきたいですね。

当社に関して

トマルバにて京町家や古民家などの空き家活用とエリア再生の事業を行っておりますので、空き家を住宅や店舗、ゲストハウスなどに活用する際には、是非、一度、下記からご連絡頂ければ幸いです。

https://tomaruba.me/contact-us.html


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