【今週の空き家のすすめVo.6】多くの問題を抱えている空き家!所有者はなぜ売らないのか?
こんにちは、トマルバの河村です。
国土交通省が総務省の住宅・土地統計調査から「空き家の所在地・建築時期等」「空き家の管理上の課題等」」空き家の利用意向等」について、空き家所有者実態調査というアンケートを実施しております。
そこで今回は、空き家を売らずに置いている理由を国土交通省の調査データをもとに紹介いたします。
空き家を売らない理由
空き家所有者実態調査は、空き家の所有者12,151件(回答5,791件)を対象に実施されました。その中で空き家の「今後の利用意向」について質問したところ、最も多かった回答が「空き家にしておく」で、全体の28.0%。
次にセカンドハウスとしての利用が18.1%、売却が17.3%という結果になっております。
では、なぜ空き家オーナーが特に何も利益にならず、固定資産税を支払わなければならない空き家を空き家の状態にしておくのか?
1.物置きとして必要
今後の利用意向が「空き家にしておく」理由の中で「物置として必要だから」という回答が60.3%となっております。
実際に私が空き家オーナーさんから相談を受けていると、空き家になって何年も経つのに売らずに置いていた理由を聞くと、「倉庫代わりに物置きにしている」という方もいらっしゃいます。
家から近い場所に空き家を所有している方だと気軽に倉庫として利用しているので、すぐに売却の手続きや賃貸に出さなくてもいいかなという考えになっております。
2.解体費用をかけたくない
物置きの次に「解体費用をかけたくない」という回答が46.9%です。
空き家で活用予定がなければ、倒壊や放火魔による放火などのリスクを考えると建物を解体した方がいいかもしれません。しかし、解体するにもそれなりの費用がかかるので、わざわざ収益を生む可能性が低いものに対して解体費をかけて空き家を処分する人が少ないのが現状です。
3.さら地にしても使い道がない
「さら地にしても使い道がない」という回答が36.7%となっております。すぐに売却や賃貸として貸し出しできるような場所であれば、さら地にするメリットはありますが、多くの空き家は少し都心から離れた住宅地であり、買い手・借り手が見つからない場所だとさら地にする必要性がないため、空き家として放置されているのではないかと思います。
売らない理由≒売れない
上記で空き家にしておく理由を調査データをもとにご紹介しましたが、「物置きが必要だから」という理由で空き家にしているわけではありません。
空き家にしておく理由の中で「売りたいけれども売れない」理由と見られる項目を抜き出してみると、下記のような理由が挙げられています。
住宅の質の低さ(古い、狭いなど):33.2%
買い手・借り手の少なさ:13.4%
交通の便の悪さ:12.9%
道路付けの悪さ:12.8%
満足できる価格で売れそうにない:12.6%
調査アンケートの結果を見てみると空き家オーナーさんは、そもそも建物の条件が悪く売れないだろうという気持ちがあるため、売らないという選択をしているのではないでしょうか。
近年では、空き家問題を解決しようと行政や不動産会社さんなどの事業者が空き家を流通させようと様々なサービスを提供しております。空き家の売買プラットフォームである「空き家バンク」や「みんなの0円物件」という0円で空き家の売買ができるサービスもありますので、空き家をどうにかしたいという悩みを抱えているオーナーさんは、一度検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は国土交通省の調査データをもとに空き家を売らない理由を主に取り上げました。空き家オーナーさんが空き家を売らない理由の背景にはさまざまな複雑な事情があります。さらに空き家の活用や処分には、手間も時間もかかります。しかしそのまま放置するのではなく、空き家を購入したい方も一定数おられますので、空き家バンクに登録したり、空き家の売買プラットフォームに掲載して、有効に活用してくれる新たな所有者さんに引き継ぐことで空き家問題の減少に少しでも貢献し、その地域が新たな所有者さんによって活性化されていくのではないでしょうか。
当社に関して
トマルバにて京町家や古民家などの空き家活用とエリア再生の事業を行っておりますので、空き家を住宅や店舗、ゲストハウスなどに活用する際には、是非、一度、下記からお気軽にご連絡頂ければ幸いです。