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2014年6月の記事一覧
第24話 妻の話-花壇の小人
小人の話をもう一つ。
母が見た、と言う小人の話をしたところ、妻も見たことがある、という。
彼女が中学生のころ。
神戸の繁華街にそれはいたらしい。
「花壇というか、植え込みの中にいたんだけど」
身長は20cmくらい。
可愛らしい感じ。
母の話と共通点が多い。
髪型や服装についても訊ねてみたところ「普通の感じ」だという。
「ディズニーアニメで見るようなのじゃなくて」
かといって、Tシャツ
第21話 妻の話-店にいた猫
もう一つ猫の話を。
妻の母親は若いころ、スナックを経営していた。
店を始めるにあたって借りた物件には、客席とカウンターの他、小さなバックヤードのような部屋があった。
以前も同様のお店だったのだろう。その部屋には大きな姿見があって、身支度をするのにも便利だった。
当時小学生だった妻は、最初に訪れた時から、その店が嫌いだった。
「バックヤードは特に、暗くて風通しが悪くて、それに……」
猫の
第18話 妻の話-金縛り
「金縛りには種類があるのよ」
妻は言う。
意識はハッキリしているが、身体は動かせない。
その点は同じだが、それに伴って現れるモノには種類があるらしい。
「一番多いのは、なにも言わない人ね」
枕元に現れて、ただジッとそこにいるだけ。
しゃべらないし、特に行動を起こすこともないので、害はない。
「1度だけしゃべる人がいたんだけど……」
母親の知人で、妻自身も顔見知りの人物だった。
「……ちゃ
第20話 妻の話-猫と女性
霊になるのは人だけではないらしい。
「街で見かけるのは、圧倒的に猫が多いわね」
この世を去った動物も霊となって街中をさまようことがあるようだが、妻によると、犬より猫が多いという。
ただ、猫が霊になったからといって、怪談に登場する化け猫のようなものになるわけではないらしい。
生きている時と同じく、街中をウロウロしているだけ。
見た感じは、人の霊と同じく色が薄く、やや透けている。
生者を認識し