私のダンナが辞めるまで(15)
恋文
長い長い沈黙が続いていた。
社長、怒ったかな…
顔を見るのが怖くて、私は頭を上げられなかった。
「腹が立ってきた。」
社長の一言で、やらかしてしまったと思った。
勝手言いまして申し訳ありません!
私は頭を下げたまま、謝罪した。
「そうじゃなくて。貴女にそんなに好かれるなんて、腹が立ってきたの!目の前でラブレター読まれた気分。」
(は?何?何言ってんの?)
私は顔を上げた。
社長はその日で一番笑っていた。
やきもち
あの…社長、すみません、よく分かりません。
私がポカンとしていると、社長は続けた。
「貴女にそこまでさせる男が羨ましいの!いいなぁ。って全部言わせるな!恥ずかしいわ!
で、いつから働けるの?」
すみません。来年3月です!
私は前のめりで言った。
「貴女の気持ちは分かった。ただ、新規事業は君の元先輩に任せてるから、判断は彼に委ねる。いいね?」
はい!ありがとうございます!
社長、乾杯〜!!!
「はいはい。おめでとう。」
その日の宴は3軒目まで続いた。
つづく…
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