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私が息子に出逢うまで(3)

身勝手

課長の怒りの理由が分からず、私は黙っていた。
すると課長の口から信じられない言葉が発せられた。

「お前さぁ、営業のくせに何妊娠してんの?」

-は?

「営業なら、妊娠するタイミング考えろよ」

-えっと…

「引き継ぎする人はもう決めたんだよな?」

-それは今から相談しようと思っていました。

「引き継ぎする人も決まってないのに妊娠するなんて、身勝手だと思わないのか!?」

私は情報を整理するため、俯いた。
まず、すぐに子供が欲しいことは伝えていた。
課長は子供を作るなら早い方がいいと言って、まだかまだか聞いてきていた。
妊娠の可能性も分からないのに、タイミングなど調整出来ない。
通常、私の会社では引き継ぎは担当者ではなく、上長が決める。

あれ?私、怒られることしてない気がする。

反撃

何度考えても、課長の言動の方が身勝手としか思えない。私は反論することに決めた。

-課長、営業が妊娠してはいけないという社内規定はありましたか?何条の何項に記されていますでしょうか?見たことがありませんが。

「規定なんかねーよ。」

-では何故、怒っておられるのですか?私は子供が早く欲しいと伝えておりましたし、課長も早く作れよと仰っておられました。怒られる意味が分かりません。

「だからタイミングが…」

-タイミング?じゃあちょうど期末に産休に入れるように妊娠したら、会社から保育園でも紹介頂けるんですか?

「それは出来ないけど…」

-そうですよねぇ?無茶な条件を突きつけるなら、見返りくらい用意すべきです。
課長、私に言ったこと、奥様に言えますか?

私は立ち上がり、課長を睨みつけていた。
課長はそれ以上何も言わなかった。

-失礼します。
会議室を出ると、お腹に違和感を感じた。
トイレに行って愕然とする。

会議室にいる間に、大量出血していたのだ。

つづく…


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