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アーミッシュ

「アーミッシュ(Amish)」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。アメリカに住んだことがある方なら聞いたことがあるかもしれませんが、そうでなければ聞きなれない言葉だと思います。

アーミッシュというのはアメリカやカナダで暮らすキリスト教のグループで、アメリカの31州、カナダの一部にコミュニティーを持つと言われています。それだけであれば特に注目に値しないと思いますが、彼らの特徴は自動車、パソコン、スマホなどの文明の力を使わずに生活をしていることにあります。家に電気は通っていないので、夜はろうそくをつけて暮らし、車の代わりに馬車を使って移動をします。

私は今回NY州のかなり田舎の方にステイしているのですが、この近くにアーミッシュのコミュニティーがあるというので、見学に行ってきました。彼らのコミュニティーは決して閉鎖的というわけではなく、一帯にはアーミッシュ以外の人も暮らしています。コミュニティーの中にはGeneral Store(雑貨店)もあり、外部の人もそこで買い物ができます。彼らの生活の基本は自給自足ですが、外部の文化を完全にシャットアウトしているわけではないところも他のアメリカ人から疎外されない大事な要素なのだと思います。

アーミッシュの方の家です。必ず白を基調とし、極めてシンプルな作りとなっています。上にも書きましたが、電気は通っていないため、夜は暗いし、冬は寒そうです。でもよく考えたら、昔はみなそうやって暮らしていたんですよね。
今回は大学の視察でNY州に来ているのですが、NY Cityからは遠く離れた場所に滞在しており、このようなピースフルな田舎で過ごすことができて良かったです。昔カナダに住んでいるとき人口700人の村に住んでいたので、その時のことを思い出しました。
こちらはアーミッシュの方が経営する馬具のお店です。彼らにとっては馬が唯一の交通手段であり、様々な種類の馬具が置いてありました。(自分たちで作ったものではなく、他の地域から卸しているものです)ちなみにここではない雑貨屋で娘へのお土産を買いましたが、レジのキャッシャーは電気が通っていないので、数字を打ってガチャンと刻印する昔のものでした。
右が牛舎になります。
立派なお馬さんが数匹と馬車がありました。

アーミッシュの方々の写真を撮ることはご法度とされているので彼らの写真はありませんが、実際に話す機会がありました。もちろん「見物客」にそんなにいい顔はしてくれませんでしたが、かといってあからさまに嫌な顔をするわけでもなく、Storeの人たちにとっては重要な「客」なので、あまり境界線は感じませんでした。

聞くところによると彼らは人口だけではなく、経済的にも拡大しているらしく、ビジネスは上手だという話でした。

これだけテクノロジーをベースにした生活をしている我々の隣で、このように前近代的な暮らしをしている人々がいることに驚きました。そして同時に、彼らは我々とは全く異なる価値観を持っていますが、いったいどちらの生活が豊かで幸せなのかを考えざるを得ませんでした。

欲を言えば、1週間か1か月くらいアーミッシュの生活を体験してみたい気がしますが、そんなことは不可能なので、自分の生活をもっと豊かなものにできるように考えていきたいと思います。

アーミッシュについてもっと知りたい方はこちらをどうぞ。