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小説になりかけた散文たち

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私が書いた、断片的なシーンだけとか、設定だけ詰めた文章とか、オチまでついているけど勢いだけの文章をあげたものをまとめました。
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記事一覧

【散文】通販魔法

男性は酔いつぶれており、倒れ込んでいた。 サラリーマン風の男性は酒を飲みすぎていたようだ…

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【散文】笑っている君が好き2

若き院長である如月京介は胸の高鳴りを抑えられないでいた。 小学生の頃の初恋の人が目の前に…

ミツモト烏兎
3か月前
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【散文】笑っている君が好き

元々、歯並びが悪かったけれど私はクラスでは人気者で小学生時代も無敵だった。けれど、小さな…

ミツモト烏兎
4か月前
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【散文】花いちもんめで残ったら

「勝ってうれしい花いちもんめ 負けてくやしい、花いちもんめ!」 「あの子がほしい」 「あの…

ミツモト烏兎
9か月前
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金木犀と私と君と。

いつも、アンニュイな感情にさせるのが夏と秋の狭間。金木犀が香る頃。いつ頃かつくつくぼうし…

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あのときも、あのときも、あのときも。

令和も何年かすぎて、平成が懐かしい。私にはよくわかないけれど、月へも旅行に行けちゃうんだ…

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鏡のない世界。

この世界に鏡がなかったとして。 すると他者からの評価でしか自分の外観がわからないということになるでしょ。 ちやほやされたら結構かわいいわけだし。ぞんざいに扱われているなら、それなりの顔ではないかしら。 私は、他人の顔がわからない。別のものが見えて邪魔をするからだ。その人の本性があふれ出てなんとも醜い姿をした者ばかりだ。 パソコンで文字を打っていると、目の前に男性が立った。 飯塚部長は目のあたりに女性の乳房がぶらさがっており、鼻は卑猥なもの。女性の尻のようなものが首に

散文:タイムラインの恋人。

通信アプリにあるタイムライン。 連絡先を登録しただけで、その人があげた写真などが共有され…

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散文:失われたバレンタイン

バレンタインという文化がなくなって、既にうん十年が経過した。人口減少傾向と比例して、ゆる…

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公園で会いましょう。

君は、僕が撮影した公園の写真集に文章を添えてあげましょうと上から目線で言ってきた。僕は、…

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散文:賽は投げられた、いや振ったのはこの私。

私はこの世ならざる者と「双六やる?」と投げかけられたことがあった。 そいつは、幽霊でも神…

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散文(ブラック):❝ししゅう❞を愛する乙女

「あなたも詩集がお好きなんですね」 「はい。まあ嗜む程度ですけれど」 SNSで誰とでも繋がる…

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散文:「美しき魔女と災厄の弟子」

美しき魔女は落ちている物なら何でも拾ってきた。 だから、人間の子供が月の綺麗な夜におぎゃ…

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【散文】運命や恋など知らない。

私は派遣社員で働く事務員だった。 人間関係で面倒になってきたら転職をする、を繰り返している。 なので、親しい人もいない。 何度目かわからなくなった転職先で知り合ったのが今の夫である。年齢は10歳年上であった。 一応、指輪はしている。そうすることで「結婚しているのですか」という質問を受けずに済むからだった。 実は一度、指輪をなくしてしまったことがあったけれど職場の人全員が探してくれたことがあった。そのときは内心「どうでもいいのにな」と考えていたのだけど、必死に探すフリをしていた