鼻血をよく出す息子と鼻血に憧れていた私
「鼻血の感覚がする」
と、言いながら起床した息子。見た感じ鼻血は出ていない。
「気のせいじゃない?」
と、私が言った直後に、鼻血が出た。息子の感覚は正しかった。
息子は鼻血をよく出す。小学1年生の頃は、下校中に鼻血を出してパニックになって学校に戻り「お迎えに来てください」なんて電話がかかってきたが、小学校3年生になった今は一人で上手に対処できるようになった。
私は生まれてから一度も鼻血を出したことがない…と思う。小学生の頃、鼻血を出してみたくて鼻を思い切りかんでみたり、人の見ていないところでちょっとほじってみたりした。しかし憧れの鼻血を出すことはできなかった。憧れの鼻血だったが、今は鼻血とは無縁のまま、一生を終えるのが目標だ。
息子が学校に行ってから、YouTubeで、いろいろな動画を見ていて、ウクレレの弾き語り動画に辿り着いた。それから、取り憑かれたようにいろいろなウクレレの動画を見た。
いいな、ウクレレ。覚えるのはすんごく大変そうだけど、覚えてしまえばエレクトーンよりは簡単そう。できるかな。私もあんな風に弾き語ることができたら、楽しいだろうな。
ウクレレの値段を調べたら、自分のお小遣いでも買えそうな感じだった。そうだ、もうすぐ誕生日だからプレゼントはウクレレにしよう。……でも、一応夫に確認しよう。
「自分への誕生日プレゼントにウクレレを買ってもいいですか」
と夫に聞いてみたら
「いいですよ。じゃあ、桃ちゃんに似合うようなアロハシャツも買ってあげましょう」
と、あっさりオッケーをもらった。しかもアロハシャツまで買ってくれるそうだ。あ、でもアロハシャツよりムームーのほうが良いな。
新たな趣味が見つかりそうでとても気分が良い。夕食のハンバーグを焼きながら、頭の中で、ウクレレをポロンポロンと鳴らして槇原敬之を歌っている。