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子ども達と一緒に自由に楽しむ、かえるワークショップ

2011年に初めてこの元中学校の建物を再生してアートセンターとして立ち上がった3331 Arts Chiyodaを訪れて、その数か月後には地下のアトリエを6人でシェアして半年間の滞在制作プロジェクトを行いました。その後も、ちょくちょくこの場所を訪れてはギャラリーのスペースをレンタルして作品を売ったりなどしておりましたが。やっぱり一番この場所で思い出深いのは藤浩志さんの「かえっこ」ですね。10年以上に渡って、そのかえっこの会場でキッズ向けの工作ワークショップを担当させていただきました。

「かえっこ」とは、秋田公立美術大学教授で現代美術家の藤浩志さんが2000年に最初はご家族ではじめたプロジェクト。家にある使わなくなったおもちゃを持ってきて、会場で交換するというもの。全国各地で開催される人気イベントで、3331でも毎年不定期で年に何度か開催しています。

一番最初にこの企画に参加したのは、2012年7月に開催された藤さんの美術展『セントラルかえるステーション ~なぜこんなにおもちゃが集まるのか?~』でした。今でも覚えているのは、一番最初に「子供たちとみんなでカエルの図柄のフォトウォールを作成する」というワークショップ企画を提案したのですが、藤さんからは「あまりかっちりとフォーマットを決めずに、子どもたちがのびのび参加できるものが良いよ」との返事をいただきました。改めて、藤浩志さんが書いた「かえるワークショップ」を読んでみると、まさにそのことが書いてあって、現場で自然発生的に醸成されるワークショップが面白いんだな、と。以来、ざっくりとしたフレームワークはつくりつつも、あまりしっかりとは制作手順を決めずに、参加してくれる子どもたちが自由に工作を楽しんでもらえるように工夫をしました。

おもちゃの絵を上手に描いたら、その絵がもらえる「絵に描いたモチ」ならぬ「絵に描いたおもちゃ」という企画や、おもちゃに目や鼻、口を貼り付けて表情をつけるというもの。おもちゃでしりとりもやりましたし、おもちゃをリメイクしてアクセサリーづくりも。おもちゃ箱をつくって、その大きさを頭に思い浮かべながら、その箱に入るおもちゃは持って帰って良いよというワークショップも。

3331が閉館してしまう前、最後に行ったワークショップは、絵本づくりでした。A4の紙一枚から、絵本をつくるというもの。予め私が用意したテンプレートを使っても良いし、あるいはまっさらな紙を自由に使って制作してもOK。

10年以上に渡って、さまざまなワークショップを考えて、みんなでつくってきました。最初の頃は私と一緒に先生役をしていたうちの娘も、あっという間に高校生ですからね。いつか、私が工作を教えた子供が大きくなって、さらにその子供を連れてきたら素敵だろうなぁと思いつつ。3331以外でもいろんなところで開催されているので、また機会があれば工作ワークショップをやりに行きたいと思っています。

自然発生的なワークショップは、歓迎なのでね。

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個人的に思い入れのある本、大切にしたい本、知人が書いた本や、私がちょっとだけ載ってる本などについて書いています。

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。