優美堂からアートでつながる
2021年4月3日に、優美堂の「オンライン企画会議」がありました。東京ビエンナーレの会期中「優美堂再生プロジェクト」の展示企画として、1,000点の作品を優美堂に展示しようというもの。会議の内容は、その作品展の詳細と、「キュレーター募集」というものでした。
僕は、「へー、面白そうだな」と感じたものの。その時は「作家さんの知り合いもいないので、僕には難しいかな」と思いました。
そして、東京ビエンナーレがスタートし、優美堂も正式にオープン。私も、1階のギャラリースペースの「千の窓展」の第一部に作品を展示させてもらうことに。
この展覧会は、いろいろな作家さんにそれぞれ「優しさ」と「富士山」をテーマに、額縁を使った作品を制作してもらうという企画です。優美堂の店名にもなっている優しさ。そして、お店の正面の看板にもなっている富士山。この二つのテーマで、作品をつくります。
会期は全部で4つに分かれていて、1年間を通じて合計1,000点の作品展示を目指そうというもの。
ここでの作品制作と展示がとても楽しかったので、Facebookに投げかけてみたところ、「参加してみたい!」とおっしゃる方が現れました。その方は、書の作品で、優しさと富士山を表現。なんと、会期中一番最初に売れた作品が、この方の「優」という字を書いた書画でした。
この体験で、「キュレーター」って面白いなと思い始めます。自分で作品をつくるのも楽しいですが、自分が紹介した方の作品を誰かが気に入って買ってくれるっていうのも、これは素敵な体験だな、と。
というわけで、東京ビエンナーレの期間中に、現地にいる作家さんを見つけると「優美堂で作品を展示しませんか?」と声をかけるように。その結果、何人かの方が優美堂に作品を提供してくれることが決まりました。
東京ビエンナーレ以前から交流のあった、屋上アルプスの和氣さん。「屋上区」という都内の屋上をテーマにした体験型の作品をつくったチームのデザイナーの方です。作品をつくるにあたっては、まず優美堂の額縁を選んでいただき、お渡しする必要があります。大量の額縁が保管されている3331 Arts Chiyodaの地下へご案内して、そこで作品制作に適した気に入った額縁を選んでいただきました。
そのタイミングで、ちょうど3331の展示会場に居合わせた『「抱っこ紐に次男、ベビーカーに長男」では 無理ゲー なダンジョンの攻略方法』というワークショップとリサーチを組み合わせたアートプロジェクトの藤原さんに初めておめにかかって、その流れでお知り合いのアーティストさんも含めて、3名の方に作品を提供いただくことに。
さらに、強風の日に湯島聖堂の展示を見に行くと、そこに優美堂の施工作業でもお世話になっている日沼さんがいて、ちょうどアーティストの柳井さんと一緒に展示の様子を確認しているところに遭遇。そこで柳井さんを紹介していただき、その日の午後に街歩きの企画で再度湯島聖堂を訪れた時に少し立ち話をする機会があり、その流れで柳井さんにも作品を提供いただくことになりました。いや、言ってみるものですね。
普段はロンドンに在住している柳井さん。こんな風に、アート作品を通じてつながりが広がっていくのが面白い。予期しない場所とタイミングで、優美堂をきっかけになにやらじわじわと広がっていく感じ。
現在、優美堂では「千の窓展」の第二弾を展示中。年明けからは、第三弾がはじまります。
「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。