「会社ごっこ」プロジェクト
2009年の夏に、「会社ごっこ」っていう遊びのアートプロジェクトをやりました。この頃、毎年夏になるとなにかしら遊びの創作活動プロジェクトをやっていて、まぁひとりでなにかコツコツつくって公開するだけなんですけど、2009年は会社のマネして遊んでみよう、と。
当時僕は仕事でプロジェクト管理をやっていたので、そのスキルを活かしつつ、自由に思いっきり自分の好きな創作活動をやりたいというのが動機としてありました。仕事が忙しくなってきた頃で、なかなか趣味の制作に時間がとれなかったので、やりたいことをプロジェクトとして立ち上げることでリソースを確保しよう、と。待ち受け画像を売ったお金が少しあったので、それを全部注ぎ込んで、なにか面白いことをやりたいと思いました。
当時、アイデア出しをして決定したのは以下のようなこと。
・これはアートプロジェクトである
・売り上げ目標はゼロ円
・何も売らないのに、ノベルティグッズを作ってみる
・会社っぽい体裁にこだわる
・なぜか都心にオフィスを構える
・仕事でもほとんど着ない「背広」で出社
・意味なくロゴ入りグッズや名刺、オフィス用品などをつくる
・会社の紹介パンフレットや公式サイトなどをつくる
3月頃から企画を練り、ロゴや名刺をつくったり、公式サイトや、ロゴ入りのグッズなども制作。日本橋に小さなオフィススペースを借りて、7月17日に入居。それから9月23日に撤収するまで、その日本橋のオフィスを拠点にして、「会社ごっこ」をしました。
ロゴデザイン
最初につくったのは、ロゴです。「EG CREATIVES」っていう架空の会社名を考えて、その名前を使ってデザインしました。原案をつくったのは、お昼を食べながら5分か10分くらいで。
手描きでさくっとつくって、それをイラストレーターに起こして正式なロゴにしました。
一応、この架空の会社名にもそれなりの由来というか、意味があって、「EG」は、「Everything Goes」の略です。つまり、なんでもあり、と。創造性の限界に挑戦しながら、とにかくなんでもつくってしまおう、という。
その会社名どおり、この「会社ごっこ」のプロジェクト中はひたすら思い付きでいろんなものをつくっていきました。
名刺
まずは、会社になくてはならないのが名刺。イラレでさくっとつくって、印刷会社さんに発注。すぐに100枚届きました。
ロゴ入りクリアフォルダ
販促グッズをつくってくれる会社に、ロゴを使ったデザインデータを送って、クリアフォルダもつくってもらいました。この写真は、そのクリアフォルダをカットして、DVDケースにしてみたもの。こんな風に、一度作った作品を再利用して、別の作品にすることもありました。
オリジナル切手と封筒
ちょっと変わったところで言うと、オリジナルの切手もつくりました。これは当時、郵便局が提供するサービスで、自作の画像を送るとそれを切手にしてくれるというもの。というわけで、ロゴ入りの切手をつくってもらいました。この封筒のデザインもつくりました。
業務用ハンコ
業務用ハンコも、いろいろつくりました。「偽造文書」「国家機密」「夜露死苦」といった、かなりふざけた文言のハンコ。(笑)というハンコは、まじめな文書や契約書の語尾に押すと、なぜだか笑えるというもの。ここらへんは、ハンコを専門につくる業者さんにデザイン入稿で発注してつくってもらいました。
ビジネス書っぽい装丁のメモ帳
こういった、ビジネス風書籍の装丁デザインもいくつかつくりました。これも完全に、ジョークです。『誰でも簡単に「一億円」楽に稼げる方法』というタイトルの下に小さく薄い色で「をもし知ってたら教えてください」という本。この本は、一億円を稼ぐための方法が書かれているものではなく、実はその方法を教えてもらうためのノートになっています。
中身はこのとおり、真っ白なノートです。この「会社ごっこ」の企画は、売り上げ目標はゼロ円で、何も売らず、全くお金を稼ぐことがないまま終わりました。けど、このプロジェクト中に生まれたアイデアは、その後グッズ化して、アートフリマや、ギャラリーショップなどで販売することになります。
このプロジェクトでつくったものは、以下の公式サイトにまとめられています。
日本橋のオフィスで活動したのは、2009年の7月から9月の約2か月間。その間、この場所を拠点にしていろいろな企画を考えたり、作品をつくったりして楽しみました。普段は仕事ではまったくスーツは着ないのですが、ここに週末に来る時だけかっちりとスーツを着て来たり。「会社」をテーマにして、予算やスケジュールなどを含めたプロジェクト管理をそれっぽくしてみたり。
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日曜アーティストの脳内回顧展(仮)
日曜アーティストとして、今まで展示した作品や、開催したワークショップなどをまとめていきます。
「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。