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スペイン語のすすめ

アメリカに留学して、アートを学ぶと決意した時、おそらく卒業してから就職に苦労するであろうことを見越して、英語の他にもうひとつ外国語を身につけることにした。スペイン語を選んだのは、そんなに深い理由はない。単に、開講しているクラスの数が多かったのだ。アートのクラスを取りながらでも、選択できる曜日と時間帯のクラスがあったから。フランス語や中国語にも興味はあったが、スペイン語ほどクラスの数が多くなかったのでやめておいた。

最初にスペイン語のクラスを受講した時、びっくりした。初級の一番簡単なスペイン語のクラスのはずだったが、授業がほとんどスペイン語だけで進行していたのだ。その時点で、僕のボキャブラリーは「オラ(こんにちは)」と「アミーゴ(友だち)」しかない状態で。授業中、先生が何を言っているのかさっぱり分からなかった。

大学で、よく僕は「この先生の授業は難しいから、やめといた方が良いよ」と学生たちの間で噂されるクラスをあえて進んで取っていた。その方が、学びが多いから。難しいと言われるクラスの方が、たいがい受けていて面白かった。けれど、このスペイン語のクラスだけは完全に失敗した。「難しいからやめておけ」の意味が、先生が英語をほとんどしゃべらないということだとは思いもしなかった。

授業は2,3回出席したが、とうとう授業について行けずに途中棄権でキャンセル(ドロップ)した。

クラスはドロップしたが、せっかく教科書は買ったので、まずは独学で勉強してみることにした。発音はa,i,u,e,oの母音で日本語に近い。ただし、巻き舌で発音する「RR」の音が難しい。単語は、英語と似ているものがわりと多い。英語の「No problem」が、スペイン語では「No hay problema」だったり。

1学期間みっちり教科書を読み込んで、次の学期にあらためてリベンジとして同じクラスを受講した。もちろん、ドロップした時と同じ「英語をあまりしゃべらない」先生のクラス。予習のおかげで、なんとか授業にはついていくことができた。スペイン語が気に入ったので、その後ずっと継続してクラスを受講し続けたら、いつの間にかそれが自分の副専攻という形になった。あと2クラス受講したらそちらも専攻として学位がとれるところまではいったが、僕のメインの専攻はあくまでもアートだったので、スペイン語の学位をとるところまではいかなかったが、語学を身につけることの面白さは十分に味わった。

1996年から1997年にかけての大学の冬休みに、北米大陸を15 日間かけてぐるりと巡る長距離列車の旅をした。

当時住んでいたリノを出発して、シカゴ、ニューオーリンズ、サンディエゴと旅をして、そこからメキシコへ。国境の街ティファナを訪れたのだが、どうにも観光地っぽい感じが丸出しで、そもそもそういうツアーで訪れたのだから仕方がないのだけど、せっかく学んだスペイン語を使う機会もないまま「マルコちゃん、マルコちゃん」と連呼する店員にお土産屋さんに肩で押し込まれそうになり、「こりゃムリだ」と思って離脱した。

カメラを向ける気にもならず、裏路地を歩きながら唯一撮ったのがこの写真。ひっそり佇む、公衆電話。

今度はもっと、じっくりと落ち着いてメキシコや中南米を訪れてみたい。スペイン語も少し思い出せたら良いな。

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個人的に思い入れのある本、大切にしたい本、知人が書いた本や、私がちょっとだけ載ってる本などについて書いています。

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。