【Edge Rank 984】夏のアートプロジェクト【TOMAKI】
恩送りをテーマにしたアートプロジェクト
「日曜アーティスト」として、週末などを使って趣味の創作活動などをボチボチやってるわけですが。6月の土日は、ほぼずっと近所のカフェで作品の展示と販売をしてました。
北千住のBUoYというアートスペース&カフェで『恩送りアートカフェ』というプロジェクトをやっていたのは、先月のEdge Rank noteマガジンで書いた通り。
私がつくったアート作品を1点500円で販売して、売れたらそのお金が次に来る見知らぬお客さんのコーヒー代になるという、「恩送り」の企画です。
誰かから恩を受けたら、それを返すのが恩返し。恩送りの場合は、その恩を誰かに回していくというもの。そうすることで、善意の輪がだんだん広がっていく。池に小石を落とした時の波紋のように、優しさがどんどん広がっていく。そんな、実験的な体験型アートプロジェクトです。
6月2日から25日の、土日限定の7日間作品を販売して、合計61人のお客さんが「恩送りアートカフェ」のプロジェクトに参加し、作品を購入してくれました。そして、その売り上げのお金は、全て次に来る見知らぬお客さんのコーヒー代となりました。
期間中に私が作った作品は120点以上。展示用の額縁を購入するために、カフェ近隣にある100円ショップをハシゴして、店頭にある額縁をごっそり購入しつつ。せっせと額装して販売しました。
会期中、知人がわざわざ遊びに来てくれたりもして。優しさあふれる、作品展となりました。
音以外の音楽を奏でる楽器作り
6月28日から5日間、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が主催する「だれもが文化でつながる国際会議」のプログラムのひとつである、短期集中キャンプ 「共鳴する身体」に参加しました。国籍や年齢、職業や身体的特徴、文化や言語など、さまざまな特性やバックグラウンドを持つ人たちが集まり、創作活動を通じて交流と協働を行うというワークショップ。知り合いの方に声をかけていただき、「これは面白そう!」と思ったので、ちょっと早めの夏季休暇を取得して参加しました。
ワークショップのテーマは、「インクルーシブな楽器をつくる」というもの。我々のチームは音に限定されない、嗅覚や視覚、触覚でも感じることができる音楽を奏でるための楽器を考え、ワーキングプロトタイプを制作しました。「光」、「雨」、「花」、そして「水」という四つの音階を作成し、ボタンを押すことでそれと連動した香りが漂い、モニターに画像が表示され、音と振動が発生するという「楽器」です。
お互いの違いを認識し、その上で自分の得意なスキルを提供して、みんなで作品をつくるというのはとても面白かったです。目が見える人、見えない人。耳が聞こえる人、聞こえない人。それは、プログラミングができる人、できない人や、デザインができる人、できない人というのと同じように、ひとりひとりの特性であって、それぞれの得意なことを持ち寄ることでお互いのスキルや知識を補完しつつ、すばらしい作品がつくれるってことを今回の体験を通じて学びました。
21名がワークショップに参加し、5つのグループに分かれてそれぞれの「楽器」を創作。完成した作品は東京都美術館に展示されました。
キッズ向け工作ワークショップ
現代アーティストの藤浩志さんとそのご家族が考案した「かえっこ」というおもちゃの交換会イベントがあります。私が初めてそのイベントで、キッズ向けのワークショップを担当させてもらったのは、今からちょうど10年前の2012年7月。大量におもちゃが集まるイベント会場で、子どもたちにスマホを渡して写真を撮ってもらい、それをその場でプリントしてフォトウォールを制作しました。
それ以来、ちょくちょくワークショップの先生役としてイベントのお手伝いをしていて、絵を描いたり、しりとりをしたり、ゲームをしたり、UVレジンでおもちゃをリメイクしてアクセサリーをつくったりなど、いろいろな工作や遊びのワークショップを会場で子どもたちと一緒に楽しんできました。
今回は、おもちゃをいれるための「紙箱づくり」。箱のデザインを「中銀カプセルタワービル」を模したものにして、みんながつくった箱が増殖成長していく「メタボリズム(新陳代謝)」を表現してみました。
ちなみに、この箱のデザインは5月に埼玉県立近代美術館で中銀カプセルタワービルをテーマに登壇した時に、写真を展示する際に入れ物としてつくったもの。以下のWebページから、PDF形式でテンプレートがダウンロードできます。
今回のかえっこは朝の10時にスタートして、3部構成の入れ替え方式。午後16時まで開催して、22人のお子さんたちが参加してくれました。
約2年ぶりの工作ワークショップ、楽しかった!
今月のテーマは「長く暑い夏との付き合い方」
今年は梅雨があっという間に終わって、いきなり夏がやってきましたね。
私は、夏が好きです。もともと子供の頃から夏が好きでしたが、大学生活をアメリカのネバダ州にあるリノという砂漠の街で過ごして、さらに夏が好きになりました。肌に突き刺さるような日差しは、サングラスをかけないと照り返しで目が開けられないほど。当時は、温度計が100度を超えると、「あぁ、夏だなー」って実感してました(華氏100度は、摂氏37.8度になります)。冷房の効いた室内から、ドアを開けて外に出た瞬間、暑さで押し戻されそうになったりもしつつ。暑ければ暑いほど、テンションが上がります。
いったん、エクストリームな暑さを経験すると、それからは普通の夏がちょっと物足りなく感じたりします。「今日はとても暑いなー」と思いつつ、でも心のどこかではあのリノの夏を懐かしがっていたりも。もっと暑くなれ、とか思っちゃうんですよね。
また、それとは真逆の冬の体験なのですが、以前カナダの極北にあるユーコン準州の、ホワイトホースという街へオーロラを観に行ったことがあります。空港に到着した瞬間、外の気温はマイナス24度。外に出て息を吸い込むと、あまりの冷たさにむせるという。吐く息で、まつ毛や眉毛が凍りました。
その夜、真っ暗な雪原でオーロラを観た時は、一番寒い時でマイナス36度まで気温が下がりました。かなりしっかりした防寒具を装備していったのですが、それでも焚火や暖房のない場所でしばらくじっとしていると、体がじんわり凍っていくような感覚があります。
この極限の寒さを体感した後、冬の寒さが割と平気になりました。マイナス30度の雪原に比べたら、まぁほとんどの冬の寒さは我慢できるので。
いったん極限の状況を体感しておくと、その後の暑さや寒さも、意外と大丈夫になるんですよね。なので、砂漠の究極の暑さを経験しておけば、たいていの夏の暑さは慣れてしまう、と。
ただし、暑すぎる夏に無理や我慢は禁物。何年か前に私は熊谷の夏マラソンに参加したことがあるのですが、あまりの暑さに途中でばてて、レース中にしばし道端の木陰でダウンしてました。軽い熱中症と、水を飲みすぎたことによる脱水症状。「体調が悪いな」と思ったら、きちんと休憩をとり、水分と同時にミネラル分も補給しましょう。
編集後記
2月から4月にかけて20万字の電子書籍を執筆して、その後もAI音声合成の勉強会や、チェコ語の勉強、ホヤを食べる会を開催したりなど、しばらくずっと勝手にバタバタしていました。6月のアーティスト・イン・カフェの企画が終わり、5日間のワークショップ参加も無事終了。3331や優美堂へ施工のお手伝いをしに行きつつ、「かえっこバザール」での工作ワークショップの先生役も久しぶりに。出会いや繋がりが広がっていき、いろんなきっかけをいただいて、ありがたい限りです。この夏も、めいっぱい楽しみます。
今回も、お読みいただきありがとうございました。
次号は、「東京散歩ぽ」の中川マナブさんです!
「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。