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【Edge Rank 884】飛び込んでみよう!【TOMAKI】

世の中は、面白そうなことで満ち溢れてる。そう思いません?ちょっと勇気をもって飛び込んでみると、素敵な世界が広がっている。

ちょうど5年前に、私は「飛び込む技術」っていう勉強会を主宰しました。面白そうなところに飛び込もう!そして、夢をかなえよう!っていう、やたらとポジティブなテーマのワークショップ。やってみたいことを片っ端から「バケットリスト」に書き出して、それをグルーピングして分析することで自分の好みや向かうべき方向性を割り出し、ゴールが見えてきたら「じゃ、実際にやってみよう!」っていう。その、スタート地点を見つけるための勉強会。もちろん、夢を実現できるかできないかはその人にかかってくるわけだけど、ちょっとした心づもりでそのゴールを実現する可能性は高くなります。

それは、「言い訳しない」ということ。

お金がないとか、時間がないとか。あるいは家庭の事情とか、余裕がないとか、今はダメとか、気分が乗らないとか、人って何かしら理由をつけてやらない言い訳をしがち。もちろん、それらは妥当な言い訳である場合もありますが、なんとか工夫すれば克服できるケースも多いと思います。壁を見ただけで諦めるのではなく、頑張って登ってみたり、回り道をしてみたり、あるいは扉を見つけたりなど、その先に進む努力をしてみようよ、ってこと。時間がないなら、時間をつくるにはどうすればよいかを考えてみる。お金がないなら、なんとかお金を集める方法を考える。何か壁を見つけたら、それを乗り越えるにはどうすればよいのか考えてみるということ。そして、解決のために実践する。

なので、とりあえず夢や目標に向かって「言い訳をせずに、今できることをやってみよう!」と。

遠回りでも、進み続ければいつかは目的地に辿り着くはずです。たとえ辿り着かなくても、目標に向かって努力をしたその経験は残ります。それがその後の人生の糧になるでしょう。頑張ってください。

というわけで、今月のテーマは「言葉でお中元」。皆さんの夢がかないますように。

■優美堂再生プロジェクト

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思えば、この「優美堂」も自分にとって、ある意味「思い切って飛び込んでみた」というプロジェクトでした。神田小川町にある、昭和の時代を生き延びだ古い額縁屋さんの建物をリノベーションするという企画。

3331 Arts Chiyodaでお世話になっている中村政人さんの呼びかけであったということ、東京ビエンナーレのプロジェクトであるということ、もともと職場がそのエリアにあって何度か店の前を通ったことがあるなど。参加するきっかけになった理由はいくつかあるのですが。中でも一番の理由は、道路に面した店舗の看板かもしれない。優美堂の正面が、大きな富士山の看板になっているのです。

僕は、趣味で「アーバンアルピニスト」という肩書を名乗って、「登らない山登り」っていうのをやってるんですけどね。都内近郊の富士塚に登ったり、あるいは山と名の付く地名をただ訪れたり。モノレールやエスカレーター、エレベーターなどを活用してサクッと登れる山を目指すという。

この額縁屋さんの富士山にとても魅かれまして。「登ってみたいな」と思ったのがきっかけ。

■オープンまでの道のり

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優美堂での作業は、まずは大量の額縁を搬出するところから。この建物のどこにこんなにたくさんの額縁が収納されてたんだ?っていうくらい、運び出しても運び出しても一向に減らない額。8月の猛暑の中、汗だくになりながらひたすら額縁を運び出し続けました。

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続いて、壁や床、天井などの解体作業。バールを使ってメリメリと剥がしていきます。その時に、ものすごい量のホコリが舞い上がるんですね。それが、目や耳、鼻の中に入ってくる。もちろん、ゴーグルやマスクもしているんですが、その隙間からどんどん入ってきて、全身真っ黒に。家に帰ってからシャワーを浴びると、水が真っ黒になります。その後2日間くらいは、鼻や耳から黒いものが出てきます。っていう状況。

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モルタルを型に流し込んで土台を作り、そこに大きな鉄骨を置き、建物を補強するための柱を建てる作業。みんなで力をあわせて、一階と二階を貫く形で大きな柱を何本も立ち上げました。ここで、施工メンバーみんなの団結力が一段と上がったように思います。全員で協力して、ひとつの目的に向かうということ。優美堂を完成させるぞ、と。

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最初は毎回真っ黒になっていた優美堂での作業も、オープン直前になってくると少しずつ変わってきました。真っ黒なホコリはだんだん少なくなり、そのかわり木くずにまみれたり、石膏ボードをカットする粉で真っ白になったり、あるいは壁面を塗る塗料の色にまみれたり。

ほぼ真っ黒に見えた建物の内部が、最後は美しい木の柱と白い壁のギャラリー空間に変貌しました。

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こうして見ると、人間の手って偉大だな、と。十分なスキルと、道具と、人員と、あとは優れたリーダーがいると、こんな素晴らしいものを生み出すことができるのか、と。自分も、その作業の一部に関わることができてとても幸せです。

■そして優美堂オープン

7月10日の東京ビエンナーレ開催とともに、この優美堂もオープンしました。会期中、この場所では優美堂が生み出した額縁を使った絵画作品の展示や、額縁の販売。さらにさまざまなワークショップも開催される予定です。

ちなみに、私もこの優美堂のギャラリースペースに「富士山」と「やさしさ」をテーマにした絵画作品2点を出展しています。「富士山」という業務用スタンプでペタペタと描いた富士山の絵と、「優美堂」というスタンプで描いた優美堂施工中の絵です。

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富士山の絵は、富士山の標高にちなんで3,776円で販売。そして、優美堂の絵は当時の額縁屋さんだったころの電話番号にちなんで8,341(ヤサシイ)円で販売しています。同じ手法で描いた同じくらいのサイズの絵なのに、価格がこんなに違うのがちょっと気になったので、優美堂の絵の方には額縁の中にもう一枚絵を仕込んでいます。富士山と優美堂のハンコを両方使って描いた、シークレット作品です。購入された方は、この2枚の絵を入れ替えたりしながら、楽しんでください。

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年初に、今年の目標として「作品展を開催する」っていうのを掲げていたので、思わぬところでそれが実現しました。

思い切って飛び込んでみて、本当に良かったと思えるプロジェクトでした。

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■編集後記

バールからはじまり、丸鋸、インパクトドライバー、タッカー、尺金、巻き尺、玄翁、鑿、鋸、刷毛、鉛筆、墨壺などなど。優美堂施工現場でいろんな道具に触れ、ひとつひとつ教わりながら、実際に使いながら覚えていくのがとても楽しかった。作業のない日も、大工さんのYouTube動画を見て「へー、こんな風に道具を使うのかー」と感心したり。面白いですね、大工さんの仕事。小僧として5年間の見習い期間を経て、年季明けに大工さんになれるとのこと。優美堂で約1年修業したので、あと4年頑張れば大工さんになれるかな?この世界も、奥深いです。

今回も、お読みいただきありがとうございました。
次号は7月27日(火)の配信。「東京散歩ぽ」の中川マナブさんです!

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「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。