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中銀カプセルタワービルのこと

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「中銀カプセルタワービル」の元住人として、2019年10月から11月にかけてここに住んでいた時の体験と、その後のプロジェクトや出会いなどを書いています。
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2023年6月の記事一覧

「BC-25(カプセル)サロン」展

「BC-25(カプセル)サロン」展

ちょうど去年の今頃は、中銀カプセルタワービルの解体工事が進んでいくのを見守りつつ、北千住のアートカフェで在りし日のこの建物の姿をせっせと版画作品にしていました。

私がこのカプセルの一室に住んでいたのは2019年10月から11月にかけての1か月間だけなのですが、その限られた時間でたくさん友達を呼んでここでめいっぱいいろいろな企画を楽しみました。そこでの思い出は、僕にとって一生の宝です。

誰かが言

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中銀カプセルタワービル50周年のロゴデザイン

中銀カプセルタワービル50周年のロゴデザイン

1972年竣工の中銀カプセルタワービル。2022年に、50周年のスペシャルイヤーを迎えたタイミングで、惜しまれつつも解体となってしまいました。

私がこのビルに住んでいたのは、2019年10月22日から11月21日までの一か月間。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの一環として、「マンスリーカプセル」という企画があり、それに応募したのがきっかけです。

ここに住めるとなったときは、嬉しかっ

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ゲストとスケッチブック

ゲストとスケッチブック

とにかく、まぁ本当に楽しかったですよ。中銀カプセルタワービルに住んでいた一ヶ月間は。なにかしらいつもワクワクすることがあって、毎日が本当に充実していた。

ちょうどその時、マンスリーカプセルのルールとして「一度に呼べるゲストは4人まで」ということで、私も含めて部屋に入れるのは5人までという決まりがあったので、その人数制限は律義に守りつつ、暗黙の入れ替わり交代制でたくさんの人が遊びに来てくれました。

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中銀カプセルタワービルで作ったもの

中銀カプセルタワービルで作ったもの

2019年にあの夢にまで見た中銀カプセルタワービルに滞在するにあたって、1か月間の滞在期間になにをやろうかと、事前に山ほどアイデア出しをしたのですよ。それをひとつひとつブログに書いていったら、あっという間に100個以上。

思い付きで書き散らしたそんなネタの中から、最終的に実現したのは60以上。さらに、カプセル滞在中にいろんなご縁やきっかけがあったり、知人が「これやろう!」という感じで持ち寄ってく

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AI音声による「カプセル宣言」

AI音声による「カプセル宣言」

1970年に出版された『黒川紀章の作品(美術出版社)』には、ソノシート(ビニール製のレコード盤)が付録としてついていて、合成音声による「カプセル宣言」の音源が収録されていた。当時最先端のコンピュータでつくられたものの、あまりにも合成っぽい感じでかなり聞き取りづらい。

というわけで、50年以上経った現代のテクノロジーで、AIナレーターに同じテキストを読ませてみた。「VOICEPEAK」というアプリ

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中銀カプセルタワービルの版画作品

中銀カプセルタワービルの版画作品

今からちょうど1年前、北千住にあるBUoYというアートカフェで、滞在型の展示をやらせてもらうことになりました。2022年6月の3週間、週末を使ってここで小さな版画作品作り。Open Press Projectという、ドイツのクリエイターさんたちが開発した小さな卓上プレス機を使って、名刺サイズの版画作品を展示期間中に100点以上つくりました。

いろいろなモチーフで作品を制作したのですが、なによりも

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次の企画へ向けて準備スタート

次の企画へ向けて準備スタート

中銀カプセルタワービル。黒川紀章さんが1972年につくり、ちょうど50周年を迎えた昨年に取り壊された、メタボリズム建築を象徴する建物。不思議なもので、建物は取り壊されてしまったのだけど、そこに住んでいた「元住人」たちは今でもより一層結束強くつながっていて、むしろその解体現場から救出された23個のカプセルが再生されて世界中に旅立っていくのをみんなで見守っているんですよね。それはもちろん、2019年に

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