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就活とかいう自己肯定感爆下がりイベント

いや普通にさ、わたしはこんなに御社に入りたいんです!第1志望なんです!こんなことやってきました!っていろんな会社に言いまくってはテンプレお祈りメール突きつけられて自分が無能だと否が応でも認識させられるのクソイベントすぎるだろ。病まない人間、よっぽど優秀なんだろうなあ。
わたしは弱い人間なので自己肯定感が爆下がりしてストレスで毎日嘔吐するようなゴミカス就活だったよ、みたいな昔話を。


2年ほど前、22卒就活生のわたしはどうしても教科書とか教材とかをつくる仕事がしたかった。子どもが好きで、学ぶことが好きで、「できた!わかった!」のおもしろさを多くの子どもたちに伝えたいな、と思っていた。

某ランドセルの妖精がいるところとか、某数学グッズが人気なところとか、まあその界隈を本当に片っ端から受けた。
まあ、ものの見事に片っ端から落ちて、運良く最終面接まで漕ぎつけても祈られてたけれど。

ことのはじまりは2月。早期選考に乗っていた15社に全落ちした。
前々から就活のストレスでご飯が喉通らなくなってはいたけれど、このころから吐くようになった。
面接がある日は朝ご飯を食べた直後に吐き、面接の前に複数回吐き、面接後も吐き、で1日4~5回は吐いていた。面接がない日は朝に1回吐くだけで済んでた。今思うとすごいな。

気づいたら10kg痩せてた。まあそら毎日吐いてたらそうなるわな。会う人全員に「痩せた?」と言われては「就活ってめっちゃダイエットできるわ(笑)」と強がってはいたものの、内心はかなり不安だった。元々痩せ型だったし、自分でも「これ以上減るとまずい」とわかっていた。でも吐いちゃうんだよな〜。生理現象だった。胃が気持ち悪くて仕方なかった。

春先、みんなが大手に内定をもらい、インスタで「髪染めました!🌸」みたいなストーリーが増え始めたころ、最終面接で祈られて振り出しに戻っていたわたしの嘔吐頻度はさらに上がった。

いじめられたトラウマで(と言うと重くなってしまうけれど)人に評価されることを異常に恐れている節があって、自己アピールが驚くほど下手だった。それも就活が上手くいかなかった原因のひとつだろうな、と思う。
あの人にどう思われているんだろう、どう見えているんだろう。嫌われたくない。がっかりされたくない。なのに、緊張して上手に話せない。伝え切れない。雲を掴むような感覚だった。

全部、ダメだった。自己肯定感は地の底にあるくせに、プライドだけは変に高い、最悪の人間がそこにいるだけだった。自覚して、さらに凹んだ。このまま死のうか、と何度考えたことか。

就活は結果がすべてだ。50社近く落ちていた自分は、そんなこと、とっくにわかっていた。
そこそこ有名な大学に入り、まじめに授業に出て、課外活動も楽しみつつ一生懸命取り組んだ。「そこそこうまいことやる人間」だと思っていた。でも、違った。勘違いも甚だしかった。
50社落ちたことで有名な某アイドルを見て「50社は落ちねーよさすがに(笑)」と思っていたし、「あのアイドルの子と違ってわたしはちゃんと愛想よくできるから」とも思っていた。今思うとクソ失礼。ごめんなさい。こういう性格の悪さも見抜かれていたのかもしれない。

今思うと50社近く受けてたからそのぶん全部中途半端だったんだろうな。いつも、そのときにはわからない。そういうものなんだろうけど。

4月にあった大学の健康診断で36kgという驚異の体重を叩き出してしまい即お呼び出し。このときのBMIは15代で、医者から「これ以上減ったら入院、なんでもいいから食え」とかなり指導された。カウンセラーには「食えないなら一旦就活やめろ」とまで言われた。食えないことよりも、春からの自分の居場所が不明瞭であることのほうが怖くて、ごめんなさい、と思いながら就活は続けていた。食べていたけど吐いてはいた。

最終手段は神頼みだ、と思っていたわたしは、ある会社の面接に呼んでいただけたとき、前日に東京入りして御茶ノ水に宿をとって神田明神に行った。雨が降っていた。就活のことを必死で祈った。

翌日の面接は47社落ちたあとに挑んだものだった。
後がなかったのに、筆記試験の点はそこまでよくなかったし、呼んでいただけた社長面接では20分遅刻してきた社長に対して「苦手なタイプは時間にルーズな人です!」と元気よく答え、あやうく喧嘩しかけた。最悪の就活生。
どうせここもお祈りだわ、業界を諦めるしかないか、と思っていたのに、なぜか拾ってもらえた。神田明神にめちゃくちゃ感謝した。神田明神はガチ
あとから面接担当者に聞くと「まっとうに生きてきたんだなと思って」と言われた。社長と喧嘩しかけたのに?

口コミでは「仕事量が多い」「残業代が出ない」「社長のワンマン」などと酷い言われようだったけど、50社から断られるような人間を拾ってくれたことへの恩義もあったし(建前)、手札も残っていなかったしこれから増やすのもしんどかった(本音)ので内定承諾書を提出した。

入社してみるとお手ごろ地獄だった話はまた今度。

ちなみに、就活が終わったらゆるやかに吐く頻度は下がり、今では吐かなくなった。体重は戻りが悪く、今は38kgくらい。体重がないと体力がカスなのが困る。痩せてもいいことないよ。
転職したさはあるけど、就活に苦しんで毎日吐くような生活に戻りたくなくて二の足を踏んでいる。

散文、最後まで読んでくれてありがとう。

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