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トマさんの31日間noteにバスを上げるチャレンジ#22「名門所属の名脇役エアロクィーンの巻」

   今日は昨日予告した通り、ジブンの地元、大阪が誇る名門バス会社に所属していたエアロクィーンです。
   ちなみに中身は「ジパング」ブランドになったあとのオリエントカラーです。
トリコロールはベース車の制作が大変でして、今回はジパング仕様になりました。
   ホントかっこいいッス。


「中央観光バス 1361号車」


   1965年から2001年まで、大阪市鶴見区に本社を置いていた「中央観光バス」に所属していたこちらのエアロクィーンが今日の主役。

   本車の概要は1989年に採用されたスーパーハイデッカー。
乗客定員は50名、コーヒーメーカーや2列分を占拠するサービスルームにテレビアンテナ、さらに床下トイレを付けて運転席と客室を仕切る(中扉から乗り降りする)豪華仕様で登場したものの、同社ではスタンダード扱い。
その裏には同社の観光バスに対する強いこだわりがありました。

   「旅の主役はバス」という考えを持っていた中央観光。
1969年には日本初となり、今ではお馴染みの「ビデオ付きバス」を導入。
これを機に同社はその後、車内を和のテイストでまとめた「和風特別車」、日本初の2階建てバス「エンパイアステートサルーン」など、他を圧倒する豪華・独創路線の車両を送り込み続けました。
中でも伝説とされるのが1984年の「オリエントエクスプレスVIP」(廃車、後静態保存経て個人所有)。
大型車の日野・ブルーリボン観光タイプをベースに固定サロン・対面サロン・フットレストつき豪華シートを備えてたった23人乗りに。
間接照明など豪華仕上げを施したその仕上げは正に「究極」。

   そして1986年の「ハレーエクスプレス」を機に「ジパング」ブランドを導入。
以降も3軸スーパーハイデッカーの「ヘリコン」、日本でたった2台の「ボーバ」など、独特な車両ラインナップが続く中で1989年にデビューしたのがこの「マグナム」です。 

   デザインはゴールドのラインに黒の濃淡ラインを加えた「ジパングカラー」。これがオリジナルです。
     側面には「向獅子」と呼ばれるエンブレムが輝きます。
無論、ステッカーではなく本物のエンブレムです。
    さらに印象的なのが「ZIPANG」の巨大ロゴマーク。
今も他社にオマージュされる程の名作です。
   前方には「スタンダード車」を示す五つの星と「MAGNUM」の、後方には「中央観光バス株式会社 06-913-… 」の標記があります。


その後

   「マグナム」が導入された1989年頃以降も中央観光の豪華・独創路線は加速し続けました。
いすゞベースで「マグナム」を発展させた「プレステージ」。
メーカーによる設計に参加してまで作り込んだ2階建ての「ルグラン」。
前歴・スクールバスから転身した異色の存在「エトランゼ」。
当時は黎明期だった衛星放送が受信でき、夜行バス並みの3列シートを採用した「プライオリティ」。
そして航空機の如く窓が独立、まさかのボックスシート採用という名車「ダイムラー」。
   このような、様々な車種で観光バス界を沸かせた中央観光。しかしバブル崩壊などの時代の流れによって業績が悪化してしまいます。
結果、「中央観光バス株式会社」は2001年8月8日をもって事業を停止。歴史の流れの中に消えてしまいました。

   消滅後は一部車両共々、元社員が興した「ジェイ・ジェイ交通」へ移管。
「マグナム」は同社時代の2004年に廃車されています。
そして会社はいろいろ変化しつづけ、往年のブランドと同じ名前になった「ジパング株式会社」時代の2010年代は水陸両用バスの運行に携わるなど、若干の独自路線を見せつつ、現在は「株式会社ZIPANG S.S」として営業中。
   ちなみにラインナップは全盛期よりも薄めになっています。
時代の流れですね。豪華なものが少し受け入れられにくくなったと言うのでしょうか。 

   また、中央観光で活躍していた一部車両は個人所有になりました。
「オリエントエクスプレスVIP」・「ダイムラー」・「ルグラン」・「ハレーエクスプレス」がその例(詳しくは検索を)で、専門誌に登場した実績もありますが、一部はオーナーの手によってそれとは気づかないようにされているのが惜しく感じるのは果たしてジブンだけでしょうか。
また、「マグナム」が個人所有になって保存されているという話も聞きません。
と、言うことで…


久々のもう一枚コーナー(笑)

  イラストにして、画面の中で動態保存してみました。しかも中央観光時代のまま。
時空など関係なくこうして作れるのがイラストの良いところだと思います。
   しかしさすがは名門所属。
単体でもこんなに様になって、しかもバチバチにときめく。
同社ではスタンダードタイプなのに。豪華な車がたくさん他にもいるのに。
まさに本車は名脇役ですね。

   「ダイムラー」「オリエントVIP」など名車の影で輝く名脇役、「マグナム」をご紹介した今日。
なんと2000文字以上使ってしまいました。
…いいッスよね、休日の回なんですから。

   それではまたお会いしましょう!


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