オトメイトガーデンの対応が悪手すぎてびっくりしてる自分用メモ。

【時系列】

2022/11/1〜30 オトガでスペアリとのコラボ実施
2022/12/1〜 景品パネル抽選期間
(日付不明)オトガ運営が当選者へ景品発送
(日付不明)パネル当選者の1人が現物写真を添えて当選報告ツイート
2023/1/13 オトガが上記当選者に景品の返却要請したことをツイートで発表

【パネル抽選について】

オトガ公式サイトの説明によると「コラボ期間終了後、抽選で店内に展示してあるパネルをプレゼントさせていただきます。ご入場お一人様につき、(応募券は)1枚配布させていただきます。」とのことで、これをそのまま鵜呑みにするなら1回の来店につき1人1枚もらえる応募券でパネルに応募できる、という形になりますね。別ページには「入場特典:パネル応募券」「ご来店時に1名様につき1枚ご用意させていただきます」という記載もあるので、この理解でおおよそ間違いでは無いかと。
ちなみに応募券に記載する項目は(以下は2022年内に開催されたオトメイトガーデンのコラボカフェにおける応募券の画像を見て確認)
・応募者の氏名
・パネルの送付先(住所)
・電話番号
・今後コラボしてほしいゲームタイトル
・ご意見ご感想など
・ほしいパネルのNo.
以上の6項目で、応募者は応募時点で個人情報をオトガ運営に渡す形になっている。かつ、欲しいパネルは応募者が選べる形にはなっている。
加えて、上記の必要情報を記載する欄の下に、注意事項として書かれているのが下記。
・個人情報は景品の発送のみに使います
・個人情報はきちんと保管しますし景品発送後は破棄します
・応募用紙は当日退店時までに応募に使用してください
・第三者への譲渡or転売は禁止です
なので、もし店内で補足アナウンス等が無いのなら、以上が応募規約ということになります。

【オトガの利用方法】

基本的な入場方法は前売り券の購入によるもので、料金は1人1210円(手数料&消費税込)。これに90分のコラボカフェ利用料に加え、ドリンククーポンとコースター、前売り券入場特典がついてくる。コラボカフェにしては比較的良心的な価格帯なんじゃないでしょうか。入場特典は何かっつーと、現在コラボ中の『Code:Realize〜白銀の奇跡』の場合はイラストカードです。全8種でランダムじゃなく選べます。
ちなみに当日空席が有れば電話予約で席おさえて入場することも可能。

ドリンクメニューは各770円(※2022年1月現在コラボ中の『コドリア』の場合)で、注文するとランダムで特典コースターがもらえます。前売り券にはドリンククーポンが付いてくるはずなので、1杯までなら追加料金なしで注文できるはず。
フードメニューとデザートメニューはだいたい1000〜1500円程度で、こっちは注文するとA3サイズのランチョンマットがもらえます。こちらもランダム。コラボ期間の前半と後半で用意されてる柄が変わったりする。

加えて、ちょっとややこしいのがオトガには「コラボドリンク クーポン券」と「フード・デザート クーポン券」ってのが有り、これはどちらも1枚770円。これはドリンククーポンならドリンク1杯と交換、フードクーポンならフードかデザートの注文時に770円分の金券として使用できるというもので、なんのために有るかっていうと、このクーポンを買った場合はその場で特典がもらえるんです。つまり、「今日はお腹いっぱいになっちゃったけど、まだ推しのコースターもランチョンマットも引けてないなあ…じゃあクーポン買っとこう!今月はもうお休みが無いから、クーポンは来月使おう!」という使い方ができる。要するに飲食は後日保留にして、特典だけ先にもらえるチケット(って言っちゃうとアレだが要するにそういうことかと…)
これ個人的には画期的だと思ってて、昨今のコラボでなにかと学級会の議題になりがちな「食べきれないほど注文して残すのはマナー違反だろ」vs「景品がランダム配布なんだからしょうがねえだろ文句なら運営に言え」問題が割と平和的に解決できるんじゃないかって気がする。まあクーポン消費のため翌月以降に特に興味のない作品とのコラボだけど行く…って状況は発生しかねないのだが、オトガの飯はコラボカフェの中では比較的クオリティが高い(と私は思ってる)ので、ちょっと池袋まで来たついでにオトガの席が空いてたら入って、適当に美味しそうなもの注文するのに使う…みたいな使い方をする人も多いんじゃないですかね。そういう利用方法も全然ありだと思う。店内にはコラボ中の作品のゲーム画像とか音楽とか流れてるし、それ見てなんか良さそうって思ったら帰り道でゲーム買ってみることもあるだろうし。元からゴリゴリのファンでなければコラボを楽しむ資格は無い、なんてルールは無い。

【上記を踏まえたうえで】

改めて経緯を追いつつ、オトガ側の対応の何がまずかったか、という話。
まず1/13にオトガの公式Twitterから出された『お知らせ』の内容が下記なんですが、

・パネルプレゼントの当選者が「非常に不適切なツイート」をした
・現在そのツイートは非公開である
・当該お客様(=ツイートした当選者)にはパネル返却を要請した
・当該パネル(25番)は再製造後に再抽選し別のお客様へプレゼントする

主な争点になるのは、オトガ側が消費者に対してここまで強権的な対応(一度は当選品として発送した景品を返却するよう要請する=実施した抽選の無効化および当選した権利の剥奪)をするのに足るほどの、パネル応募に対する規約違反もしくは公序良俗に反する行為を、その消費者がしていたのか?っていうところになるかと思います。では公序良俗ってなんぞやと言ったら超簡単に言うなら「社会的な妥当性が認められる道徳観」のことなので、要するに「それは流石にあかんやろ」=「公序良俗に反する行為」って感じですかね。すごい解りやすいところで言うなら不倫とかね。
で、オトガさんはこのパネル返却要請という強権(まあ権利を行使する言い方をしたかは別として)を発動するにあたり、その理由を「非常に不適切なツイートをしたから」と言うてるんですが…
個人的に「うん?」と思うのは、そもそもパネルプレゼントの応募規約にそういう記載はあったのか?ってことです。たとえば応募規約に「当選後、明らかに不適切だと思われるツイートをされた場合、その当選権は無効とさせていただきます」という記載があったなら、応募前にそういう約束してたよねってことだから、返却要請に至る可能性は有りうると思う(個人的にはその「不適切さ」って誰がどこ見て判断すんだよ、とも思うので、こういう担当者の主観が大幅に入りかねない曖昧な項目を応募規約に盛り込む企業はあまり無いだろうとも思うけど…)
じゃあ例えば、パネル当選者が「当たったけど欲しかったわけじゃないし転売しようかな」とツイートしたんだったら返却要請は妥当なのかと言うと、これもどうだろうね…という気が個人的にはします。応募規約では譲渡も転売も禁止となっているんですが、だからといって「あなたは転売しそうなので返してください」が通るのかと言うと…この規約は実際にヤ●オクなりメル●リなりに転売された時点で効力を発揮するものなのであって、転売を仄かした時点では、せいぜいが「応募規約に転売禁止と入れてますよ、規約は守ってね」と連絡入れるくらいが現実的な対応なんじゃないかなあと思います。実際に誰かをぶん殴ったら傷害罪だけど、ぶん殴りてえ〜〜と言ってるだけの人を逮捕はできないのよ…(財布よこさねえと殴るぞ!だったら恐喝罪ですけど)

ではその、オトガ側が「非常に不適切なツイート」と強い口調で非難している実際のツイートはどうだったかと言うと、今は削除されちゃってるので確認はできないんですが(スクショが出回ってるけど前後のやりとりも踏まえないと何とも言えないと思う)
ただ個人的には、当該ツイートが既に「非公開である」ことを認識した上でオトガ側が公式Twitterから「非常に不適切なツイート」と断罪しちゃってることが、対応として更にまずかったんじゃないか?とも思ってて。
こんな書き方されたら、オトガ側のツイートだけ見た人は「よっぽどひどいツイートだったのか…パネル没収されるくらいだから転売の声かけでもしたんだろうな」と思い込みかねない。オトガ側は「ツイート」を理由に返却要請すると言うてるので当選者は「行為」ではなく「発言」の段階でオトガから咎められてんですが、オトガ側がこういう強い言い方しちゃうと、まるで「行為」まで至ってるんじゃないかって誤解を招きかねないと思うんですよね…。
つまり、このツイートによって「当選者は転売の常習犯なのでは?」って印象を植え付けちゃった場合、転売が事実でも冤罪でも名誉毀損になりかねないので。名誉毀損は誰かを冤罪で貶めた場合のみならず、それが事実であっても意図的に拡散した時点でそれダメでしょってなる案件ですし、更にまずいことにオトガ側、当選者の名前こそ出してないけどパネル番号ぶっちゃけてるんですよね…こんなの画像検索すればすぐ特定できちゃうし、誰かが特定して吊し上げること期待して番号まで出したんでないの?と言われたらどう言い訳するんだ…(だって再抽選の対応するにせよ、当選は発送をもって発表すればそれで済むわけで、番号まで出す必要ありました?)
今はその該当ツイート(だと思われてるもの)のスクショが拡散されて、当選者が転売ヤーだったんだろうなんて誰も思ってないけども、そういう情報が何もない状態で公式から「非常に不適切なツイート」だから「景品を返却するよう要請した」なんて告知が出たら「そこまでひどいことしたの?(当選者が)」って思うの普通の流れでは…?だから個人的にはオトガ側に名誉毀損する意図は無かったんだろうとは思うけど、言葉選びも大失敗だったし、そもそもツイートすべきでもなかったよね、と思ってる。

ツイートすべきではなかったと私が考える理由は、そもそもこのツイート、なんのためにしたの?ってどうしても思ってしまうからです。
「当選者が非常に不適切なツイートしました」「だから当選品を返してって言いました」これを消費者(=主に自社製品のファン)に告知することで、なんの効果を期待してたの?「神対応!」とか言って欲しかったの?
転売したわけでもない当選者から、景品を後出しルールで取り上げることに対して???
これなんですよ。当選者のツイートが本当に「非常に不適切」だと思って「返却要請」するんであれば、個別DMとかでその当選者との間だけで片付ければ良かっただけの話で(私は返却要請自体も妥当だとは思わないけど、どうしてもそれしたいんなら、ですよ)わざわざTwitterで大々的にアピールする必要なかったのでは?後から当選者に「オトガからこんなこと言われました」って暴露されたら印象悪くなるとでも思ってたのか?自社の公式アカウントからツイートした時点で十分に印象が悪いから今こんなことになってんですが…。
どうも、わざわざツイートしたことで「うちは悪くないんです」「正しい対応してます」「褒めてください」って印象を与えちゃってんじゃないか、って気がするし、褒めてほしい感をそこはかとなく感じるんだが対応自体はとても褒められたもんじゃないので、なんだかなあ、って思ってしまう。

そもそも論として「非常に不適切なツイートなので」だけじゃあ「一度は当選させて相手の手元に渡った景品を返すよう求めること」に対する妥当な理由にはなり得ないし、だから返却「要請」なんだろうけど、「要請」=「お願いすること」までしか出来ない時点で妥当性に欠けてることはオトガ側だって理解してたのでは?
そこ理解してたんなら何故ツイートして大々的にアピールした…?

それはそれとして、この当選者さんに対して「好きでもない作品のコラボになぜ行った」「好きでもない作品のパネルになぜ応募した」と言うてる人もいて、まあそういう疑問を持つこと自体は解らんでもないけど、上記のドリンククーポン&フードクーポン制度がある以上は私だってクーポン余ってたら知らん作品のコラボカフェでも行くことあると思うしなあ…私の友達でもコラボカフェという文化自体が好きで、知らん作品でも席が取れたらとりあえず行くって人います。
それを「本当に好きな人の席を埋めるな」と言う人がいるのも知ってるけど、個人的には、じゃあどの程度好きなら「本当に好き」を名乗れるんだ?って思いますし(乙女ゲーなら1周してればいいのか?それとも全キャラコンプしてないと駄目なのか?)遊びに行ってみたらその作品に興味持ったからゲーム買ってみた、の順番でも別にいいじゃんとも思うし…友達の付き合いで、知らん作品だけど一緒にドリンクファイトしに行くこともあるし。それも駄目なのか?どっからどこまでがOKライン?この話を始めたら決着なんかつかんと思うので。
パネルの応募も、自分が運試し感覚でランダム缶バッチとか買うことあるからなあ…それを駄目って言われたら、当てたら当てたで手元で大事にするんだけどそれでも駄目ですかね?としか答えられん。「本当に好きな人に当たって欲しい」というご意見には気持ち的には賛同したいところなんだけど、「本当に好き」のラインが人それぞれである以上、それを公式の正規ルールにしようぜ!とは、とても言えない。

「本当に好きな人の手に渡るべき」っていうのは、ファンが言う分には全然構わないと思うのだけど、営利企業がそれを正規ルールとして掲げるのは苦しいんじゃない?とも思う。だって「本当に好きな人」を決める判定には、どうしたって主観が入ってしまうから。いち消費者が感想として言うんならともかく、それ企業が言ってしまったら「うちが本当のファンだと認める人だけを選びます」ってことになってしまう。企業にも客を選ぶ権利は有るけども、あんまりそれやりすぎるとコンテンツを売る間口を狭めるだけですし、今回はやりすぎだと思われてるからここまで燃え広がってるわけで。

ちなみに「本当に好きな人の手に渡す」をそれなり妥当性のある正規ルールとして適用することは不可能でもなくて、Twitterでも色んな方から指摘されてるけど、例えば感想を書かせればいい。あるいは、ゲームを1周はしてないと解けないクイズを入れて、正解者の中から抽選するとか。どうしてもファンだけに当てたいと思うなら方法は色々あるわけで、ただ採用すると抽選時の作業工数は増える。今回はオトガ側がそういうルール設定を前もってしてたのかっていうと全くしてなくて、してなかったのに「うちが不適切だと判断したから回収します」ってやったから怒られてるわけでしょうよ…。

つくづく、対処の仕方がアレというか、段階踏んでことごとく悪手を選んでるとしか思えないんだよな、オトメイトガーデン…。
こんだけ燃え広がっちゃったのをどう消火活動するのか、仕事でSNS周りをやってる身としては勉強させてもらうつもりで見守ろうかと思ってますが、炎上に慣れすぎてる企業は火消し自体しないこともあるからなあ…あんまり期待せずお待ちしてます。

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