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【もはや時代遅れ?】転勤族のメリット・デメリットをよく考えてみる

日本に転勤族はどれくらいいるのでしょうか? 2017年に「労働政策研究・研修機構」が調査した結果によれば、正社員のうち3割~5割の人が転勤族であるようです。 僕も転勤族になって15年ほど経ちました。これまで4つの事業所を渡り歩いてきたので、平均すると4年前後で転勤を繰り返してきたことになります。コロナ禍以降、なにかと風当たりのきつい転勤族ですが、冷静にメリットとデメリットを見ていきたいと思います。

コロナ禍で加速、脱転勤族の動き

コロナ禍で大きく変わったこととして「リモートワークの急拡大」が挙げられます。コロナによって強制的に対応させられた、ともいえるでしょう。 でもこれによって・・・あれ?この仕事って会社じゃなくてもできるんじゃない?このような気づきを得た会社や個人が多くいたと思います。
この考え方を拡げていけば、転勤族にも当てはめられます。つまりリモートワークで対応できる職種であれば、わざわざ転勤をして事業所の近くに住まなくてもよい、ということになります。 近年、転勤族はデメリットのほうが目立っていたため、このコロナ禍を機に再度”不要論”が叫ばれるようになりました。実際に転勤を取りやめた企業もあります。  

転勤族のメリットは??

そこで公平を期すために(?)まずは語られづらいメリットのほうからご紹介します。  

給料が高い(かもしれない)

大企業などでは特にその傾向が顕著ですが、総合職=幹部候補生=転勤族、みたいなことになっています。逆にいえば一般職は転勤がなかったり、その範囲が制限されていたりしますが、昇進・昇格に上限があり、給料もそれに見合ったものになります。 つまり転勤族は転勤がない職種に比べて、給料が高い可能性がある、ということです。  

飽き症な人には適している

ひとつの場所で同じメンバーとずっと仕事をしていると飽きてきて、だんだんとモチベーションが下がってきちゃう、みたいな方には転勤族が適していると言えます。それだったら転職も同じじゃない?とも言えそうですが、会社自体は気に入っている、という場合、数年に一度の転勤が良いスパイスとなる人もいるはずです。僕もこのタイプです。 

色々な場所に住むことが出来る(ただし選べない)

会社の都合で色々な場所に住むことができる、と前向きに考える方法です。 僕は旅行が趣味です。転勤が決まると、次に住むところから旅行に行ける場所はどこかな?とワクワクします。実際に岡山に住んでいるときは広島・山陰・四国と幅広く家族旅行に出かけました。小豆島や大久野島が特に思い出に残っています。 こういう場所は東京に住んでいたら移動だけでも結構大変です。そもそも何の身寄りもない岡山に住もう、というマインドにはなりづらいですよね。  

コミュ力や精神力が鍛えられる

転勤をする、ということは一緒に仕事をする仲間が変わる、ということです。そして転勤をしたあと、まずしなければならないことは、転勤先の組織に打ち解けることです。 仕事の能力なんてどうでもいい、とは言いませんが、まずは転勤先のメンバーと打ち解けられないと良い仕事なんてできません。相当のコミュニケーション能力が必要となります。勝手にある程度鍛えられるでしょう。  

転勤族のデメリットは??

デメリットは挙げればキリがありません。とりあえず大きいものをピックアップします。  

同居家族への負担が大きすぎる

夫婦二人が同じ場所に転勤、なんて奇跡が起きるわけありませんから、どちらかが転勤になった場合、もう片方は仕事を辞めるしかありません。もしくは単身赴任ですね(これは後述します)。 専業主婦・主夫だったら問題ないの?というわけではありません。転勤するほうは仕事があります。友達とは言えなくても、上司や部下とコミュニケーションがあります。 しかし付いていくほうは人間関係が断絶します。新しい環境で、新しい人間関係を作ることは非常にエネルギーを使います。僕は先輩から「転勤族の大事な仕事の一つに、奥さんのメンタルケアがある」と言われました。 またこれは子供がいる場合にも非常に影響が大きいです。小学生くらいになれば仲の良い友達もいるし、その友達との別れは非常につらいものです。新しい環境になじめず、学校が嫌いになってしまう、ということまで考えられます。  

単身赴任のメリットって逆にある??

上述した家族への負担を減らす方法として単身赴任があります。 でも単身赴任も結局色々な問題があります。

  • 生活コストが多くかかる(会社の補助も部分的)

  • 家族と過ごす時間が短くなる

  • 子供がいる場合、配偶者にかかる負担が大きくなる(ワンオペ)

「子供が大きくなって、単身赴任しても寂しがられないし、自由だしサイコー!!」って言っている先輩もいましたが、後々聞くと「自由だサイコーってのは最初だけで、やっぱり寂しいよね」って言ってました。単身赴任は仕方なくするものであり、メリットはないと思います。 

持ち家問題、引っ越しめんどくさい

転勤族は家を買うタイミングが非常に難しい、と言えます。ずっと賃貸でもいい、といえばいいのですが、僕のように5人家族だと適した部屋を見つけるのにも一苦労です。 また引っ越し自体も大変ですよね。費用もかかります。 「エアコン2台目以降の取り付け費用は自腹です」とか言われるんですが、15年たった今でも全然納得していません。家が変わってしまうことに関する費用は全部面倒見てくれよ、と。  

まとめ:デメリットの圧勝

僕がメリットで触れたもののうち、以下の2点については転職によっても達成できるものです。

  • 飽き症な人には適している

  • コミュ力、精神力が鍛えられる

ですのでギリギリ言えるラインとしては、「”現在の会社の業務内容や給与水準に満足している、かつ、定期的に働く環境や場所を変えたいと希望している”人にとっては、転勤族というのはありがたい制度」となります。 逆にデメリットは分かっているが、現在の会社から離れると給与が下がるのが怖い、しぶしぶ転勤を受け入れている、という方がかなり多いと思われます。僕も子供が大きくなるにつれて、このマインドに近くなってきています。
ただ、よくよく考えればですよ。そもそも今の給料から下がったら困るのかな? もちろん転職して給料が減る公算が大きいけど、減ったって大丈夫じゃないかな?こんなことも最近考えるようになりました。だって足りるのであれば、転職して自分の希望する場所で働くほうがいいですよね。 この点については、この1年くらいで結構真面目に計算してきました。また別の記事でご紹介したいと思います。
一方で、転勤族という制度は、会社にとっては人事の柔軟性という大きなメリットがあります。一朝一夕で無くなるものではないでしょう。僕の仕事も「オールリモートにできるか?」と聞かれると、さすがに難しいと言わざるを得ません。 ですから会社側がオプションとして色々な制度を用意し、求職者側がそれをもとに仕事を選んでいく、ということになっていくと思います。色々な事態に対応できるように、転職の準備だけでもしておくことをおススメします。  

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