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2000年あたりの自宅スタジオから未来をストン!と見る(序)

ダニエルジョンストンはダビングという概念を知らず、曲をテープに一回ごとに録音して売っていたという。驚くべきはこの話がMTV出演後に注文が殺到した後の話だということなのさ。

ボクはこのエピソードをハーゲンダッツのラムレーズンと同じくらい愛していて、銀色のスプーンでゆっくりと掬うような愛おしい気持ちで反芻しつつ「録音」という行為の初期衝動をぼんやりと思う。

昔は「ガチャ」今は「カチッ」「ストン」。録音ボタンを押してもう一度再生するだけで数秒前のタイムトラベルが完成するシンプルな楽しさと気持ち悪さ。

たぶん、その時間を操る感覚を駆使して多重録音する奇妙な快楽が自分の箱庭ミュージシャンとしてのベースであると思う。

そこに年を追うごとにテクノロジーが投入されて、音響的にできることが増えていくんだけど、これはもうワクワクしないかね?

RPGで新しい呪文を覚えて新しい武器と防具を買い、新しい大地に冒険に向かうときのような快楽が、スタジオでは20世紀からこっち密やかに、だけど永劫と繰り替えされてきてるわけだ。


ダニエルジョンストンは、大好きなマウンテンデューを飲みながらきっと今も自宅の地下で音楽を作ってる。ボクも彼に倣って自分のスタジオで大好きな炭酸カルピス(当然濃いめ)を飲みながら衝動的な音楽に魔法をかけて遊ぼう。そしてそのあたりのベッドルームスタジオミュージックのサンクチュアリな話もマガジンを作って少し書き連ねたいと思います。未来を後ろに見つつ。

昔のサンレコの自分の記事とか見たり笑


にしても「Behind The Beat」ていう写真集の話にまず触れたかったんだけど、なぜかダニエルジョンストンが真っ先に心の中にキャッチアップされてしまったよ笑 なので次回!

ハヤシベトモノリ(Plus-Tech Squeeze Box)

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