ターコイズブルー

 失恋したって声にしてみても、いまいち実感がないのはなぜだろうか・・・。

 前はもっと悲しいとか苦しいとかが溢れてきては涙して、もう嫌だと呟いて、チャットモンチーの恋愛スピリッツとアンジェラアキのOne Melodyを聴いて悲劇を自分が全部背負ってるみたいに大袈裟に感情に浸ってたのに
たぶんと、もしかしてと、もしが頭の中をぐるぐるしては堂々巡りの思い出が心をズタズタにしていた。
 はじまる前、好きと言葉にする前に気づいた。相手が違う人をみていて、1%の可能性もないと直感で感じたからやめた。
ただそれだけだけのこと。だから失恋でもないのかもしれない。て言えたらいいのにね。
 やめたなんて嘘。本当はこれ以上深く入り込んで傷つくのが恐かったから・・・。
「最近いい出逢いはあった?」進展のない3ヶ月の苦しみから出た言葉だった。返ってきた言葉は2行だった。その2行で一緒に観た映画もはじめて話した話題も交わしたLINEも全部消し去ってさよならしたくなった。
「いい出会いあったよ いい感じかも」
なんだよ直接言えないから遠回しに俺たちのことだろ?と思えるほど頭の中がお花畑ではなかったから、なんか終わったとしか頭に浮かんでこなかった。
よくよく思い出してみれば、誘うのはいつも俺からで、一度も相手からなんてなかったようなそんな気さえする。ほぼ毎日続いていたLINEも俺の思い上がりで、なんてない会話の一部でしかなった。
人間はみたいようにしか物事をみれないて何かで読んだことがあったけどまさにその通りだった。一緒に楽しんでいたかもしれないけれど、気持ちは違っていた。
「じゃあ俺は控えます。ありがとう」
としか返せなくて
「普通に遊びましょう」
と社交辞令としか思えない言葉が最後に返ってきた。
「そうしませう」
としか返せなかった。
そして返事もなくそれが終わりだった。
初めて会って話した時に、お互い映画とか共通した好きなものがあるから話が合うはずと言ってくれたのもたぶん覚えていないだろう。そんなに話してもいないのにコイツは何を言ってんだろうとちょっと不信感を抱いたことは覚えている。それからすぐ、もっと話したいから会いたいねと言ったら、会いに来てくれたのも覚えてる。悔しいくらい色々覚えてる。勝手に幻想抱いて期待して独りで盛り上がってただけだった。
さあこれからもっと距離縮めて行くぞ、ああ好きなんだと感じ始めた矢先だった。
始まる前に終わった。好きと言葉にする前に終わった。
諦めないで焦らないで長い目でみれんばいいじゃないかと思う人がいたら言ってやりたい、相手も同じように想う人がいて、お互い気持ちが同じだと感じかけてる人に入り込む隙があるのか?
だからもういいんだよ。
相手が勘違い野郎がいてさ、迷惑だったんだよとか誰かに愚痴ってくれてたらいいのにと思う。そんなやつならちゃんと嫌いになれるから
でもそんなやつではないとなんとなくわかっているから・・・、そんなやつなら好きになってないんだよ。
でも泣けないんだよね、ツライけど。

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