忘れもしません。それは昨年の夏に起こりました。その日は朝まで職場の同期と遊んでおり楽しい時間を過ごしていました。ただ、解散して間もなく最悪な数日間が始まりました。
 朝6時前に突然ほとんど連絡の取っていなかった同級生から電話がかかってきたのです。電話に出た瞬間すすり泣くかのような声と同時に信じられない言葉を耳にしました。私が昔から仲が良く長い休暇の時にはよく遊んでいた友人が交通事故で死んだというのです。その話を聞いた瞬間そんなまさかとは思いましたが、どうせ悪いイタズラだろうと思い「わかった」とだけ言って電話を切りました。ただ不安でしかなかったので一応実家にいる父に電話をし、確認をとってもらいました。確認に数分を要しましたが案外早く返答が返ってきました。「詳細はわからないが死んだのは本当らしい」と。それを聞いた瞬間まだ外にいたというのに一気に涙があふれ出てきました。とりあえず誰かに会いたいと思い一番近くの友人の元へ行きました。いきなり泣きながら部屋に入ったものだから大変驚いたみたいです。しかし、慰めるために抱きしめて背中をさすってくれました。そのおかげでなんとか落ち着くことができました。そして葬式などに出席しなければと思ったと同時に行けるのだろうかと不安にも思いました。就職して数か月しかたっておらずどういう手続きを行えばいいのかすらわからない状況でした。職場の先輩に連絡をして数時間で休みをとる手続きが完了し、無事に出席するめどがたちました。葬式は私たちの地元で行われるためJRを使った長距離移動が必要であった。しかし一人で帰るとなると心細くなってしまうため近くにいる友人も帰るということだったので、一緒に帰ることを提案し友人と私の三人で帰ることとなりました。駅で合流したときは何とも言えない状況でした。驚きを共感したがそれ以上の言葉が思いつかないという感じでした。朝が早かったこともあってか数時間は話をしていたが移動の半分くらいは寝ていたと思います。約五時間程の電車を終えて次は車での移動となりました。私も含めて自動車免許を持っている者がいなかったので、実家から私の父に迎えに来てもらいました。駅から車で約三時間程かかるので間に食事等をはさんだのですが父も気を使って話してくれたおかげか私も友人も心なしか気持ちが楽になりました。楽しい会話をしながらやっと地元に到着しました。長旅で疲れたのか精神的にも疲れたのかその日は、すぐに眠ってしまいました。

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