くろとぴんく⑩

2024年4月26日

受診して抜糸してもらう。

やっとドレーンのついていた付近のテープを剥がしてもらってすっきりした。
傷口にはしばらくテープを貼るそうだ。
落ち着いて傷口を見れるようになって知ったが、脇が痛いのは、傷口以外にもリンパを取る時に空いた傷が数箇所あって、そこも痛かったのだなと気付いた。

脇のリンパ節を取ると、ホースのジャバラの部分が無くなったみたいな感覚になっている。左腕を伸ばすとバネがなくてぴん!と止まってしまい、とそれ以上伸ばせないという状態。


2024年4月27日

今日は自転車にも乗ってみた。
振動で左側が痛むがゆっくりなら乗れた。
もう元通りの生活が送れると調子に乗って、娘と少し遠出したら、夜になって傷付近がずきんずきんと痛んでなかなか寝付けなかった。
少しずつ動かそう。

そういえば、退院してから、あるお医者さんに言われて心に残った言葉がある。
「人との出会いが巡り合わせというけれど、病気とも巡り合わせ。病院とも、お医者さんとも巡り合わせだ。」と。

それを聞いた時は、あまりピンと来なかったのだけれど、術後少し傷も落ち着いて、最近、その言葉をよく思い出して考えることが増えた。
そうね、病気とも、お医者さんとも、巡りあわせなのだろうね。(病気なんてならない方がいいに決まってるけど。)

いきなり突き落とされた真っ暗の中で、執刀医となった先生の存在は私の混乱と恐怖を少し和らげてくれた。
あの時あのクリニックにいって本当によかった。

入院中には読めなかった『くもをつかむ』を、今日は最後まで読むことができた。
それは、この2ヶ月で自分に起きた状況を受け止めて消化できるようになってきたことを確認できる出来事だった。


2024年GW

パッドを調べていくつかの会社に試着しに行く。
本物そっくりなルックスに驚く。
乳癌サバイバーの友人に、「今ってこんなのあるのね!」と画像を送ったら、技術に驚いていた。「もうこれでよいじゃん!」と。
そのうちに再建したくなるかもしれないし、逆に傷に見慣れてパッドなんていらんと思うかもしれないけれど、今はこれで良さそうと思った。

どこかにぶつけた車の車体を修理に出して、修理が終わって、戻ってきたような感覚を思った。
また燃費良く動けると良いわ。



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