くろとぴんく①

2023年2月20日

今日は毎年受けている乳がん検診。
区の健診は各年だが、私の場合は妹が数年前に乳癌を経験しているため、婦人科系は毎年受けるようにしている。
周りには、「マンモが痛いから嫌なんだよね。」という子も多いが、安心には変えられないと思う。ちょっとの不快感はすぐに終わるし、マンモも超音波も慣れたものだ。

この日も鼻歌を歌いながら検診を受ける。
超音波でゴロンと横になって、(夕飯は何を作ろうかなぁ。ピタパン作ってみるか?)なんて考えていた。
ふと、(あれ?なんか左だけ超音波、長くない?)と気付く。ちらっとみてみると技師さんが真剣にスクリーンを見ている。
「なんか左だけ長いですね。」と聞いてみると、「うーん。」という返事。「え、その黒い丸なんですか?なんかありそうです?」と聞いても「うーむ。」としか答えない。

お会計時に、3度目の「今回、なんだか長かったですね、なんかありそうです?」と質問すると、「まぁ、結果をお待ちください。」と言われた。

嫌な予感。。。

モヤモヤした気持ちで帰宅する。

結果が来るまで2週間は、喉にものがつっかえたような気持ち。心配事が常にあるというのは嫌なものである。



2024年3月5日

検査結果が届く。
「きた!」と急いで封を開ける。
3つあるチェックボックスの内の1番番下にチェック。
「乳癌の疑い。精密検査が必要です。」

不安的中である。
さらに気持ちが沈む。



2024年3月7日

みんなで美味しい牡蠣を食べに行った。
初めて食すウツボとアンコウ。娘は、生牡蠣とあんこう鍋の雑炊が気に入った様子。マスターも良い人。
子ども時代の話をしていて、『台本版』(図書室で本を借りるときに、借りた本のスペースに入れるあの板)という言葉と、『画板(ガバン)』(図工で絵を描くときに画用紙の下に当てる大きなあの板)という言葉がでて、懐かしくてテンションが上がる。

とても美味しくて楽しい時間だったけれど、心の隅っこに気掛かりがあり、心からは笑えない。ふと、(今、いつも通り笑っていられてるだろうか。)ともう一人の自分が客観的に自分を見る。
みんなでいる時はまだ良いが、途中、買出しでダイソーに行くことになり、夜道を1人になるとまた不安になる。
せっかく美味しい海鮮を食べているのに心から笑えないなんて。

ああ、早くこの不安から解放されたい。


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