くろとぴんく④

2024年3月12日

結果を聞く1週間後までは気持ちが落ち着かない。

針を刺した後だからなのか、生理前だからなのか、癌だからなのか、心理的なものなのかわからないが、なんだかすごく常に胸が痛む。

私は基本的に体が丈夫で、体調を崩す事自体が滅多にない。
風邪を引くのも4・5年に一回程度なので、風邪を引いた時は、慣れない体の不調に気が滅入るのである。
そんな自分が乳癌になるなんて。

胃癌家系だから、子育て終えて、おばあちゃんになったらいつか胃癌になるかもなぁくらいには思っていたけれど、まさかこんな若いうちに、よりにもよって乳癌になるなんて。

なんの覚悟の前兆もなく、いきなり病気になるものなんだな。。。
人生って思い通りにいかないことがたくさんある。
ちょっとまだ受け止められない、向き合えない。

週末は娘が友達を連れてきてお泊まり会をすると言うので、もてなす準備をしよう。少し、気が紛れて良いかもしれない。



2024年3月16日

ドアの鍵や、蛇口の開け閉めなど、確認行動が多くなっていることに気付く。そうか、不安な時にこうなるのか。

入院したらしばらくできないかもしれないので、娘と約束していたピタパンを作ってみた。
薄く伸ばしてオーブンに入れた生地が、ちゃんと膨らむのか心配だったが、焼いて5分位すると本当にぷくー!っとまぁるく膨らんだ。
中に空洞ができて、真ん中で二つに切るとケバブみたいに中に具が入れられる。大成功。お泊まり会に来た友達も喜んで食べてくれた。同じ材料を使っても、作る人や工程で全く違う料理に仕上がるのだから、料理って面白い。

夜はオンラインで、ペアトレの話が出た。振り返りや修正したいのは、我が子の行動よりも、自分の行動だわ。


2024年3月18日

クリニックに結果を聞きに行く。
もう覚悟はしていたが、「乳癌です。」と伝えられるとやはりショックだった。
この病気について説明を受けた。
今や女性の9人に1人がなる病気。このタイプは治るので、治療して、治していきましょう、とのことだった。
どこの病院に通うか迷っていたので相談して、この先生がいる病院に通うことにした。

妹に連絡すると、
「取れば治るよ、大丈夫、大丈夫。明後日そっちに会いに行くね。」とカラッとしていた。

続いて両親に連絡して説明すると、自分達は70過ぎてどこも悪いところなく元気なのに、娘2人とも若いうちに乳がんになってしまったと狼狽していた。「心配だ心配だ。なっちゃったから仕方ないけど心配だ。」と。

親は、我が子が大病したら、変わってあげたいと思うだろう。
心配ばかりかける娘である。

でも、結果がわからない時の方が不安が強かった。
もうなってしまったものは仕方ない。治療して治すしかない。

同じ経験をした人も周りにいる。支えてくれる人もいる。やりたい事や、望んでいる未来がある。

でも、胸を切るのは、どうしても、嫌だなぁ。


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