見出し画像

【2010年代から】肌感的TRPG回想録【現在まで】

◆書こうと思った理由と注釈
 最近、オンラインセッションに参加している中で記憶を思い返して話す機会が増えたため、アウトプットの習慣づけの一環として書きたかったから。

 内容としては自分が触れた範囲でのシステムやセッションツール、リプレイ動画が中心となるため、TRPGを語るといっても、その歴史や経験値からみても比較的浅くなっている(はず)。私見や主観を丸出しにしながら書いていくので、「あー、この頃こんなだったな」とか思ってもらえれば、筆者的にはとても嬉し(恥ずかし)い。
 
 (記事中に引用する内容は大まかな時系列で思い返しているため、事実と異なる部分があります。また、リプレイ動画については製作者様の承諾を取っていないのでURLは記載しません。ご指摘等あれば、該当部分ひいては記事を削除します)


◆TRPGとの馴れ初め
 初めてTRPGに触れたのは、高校の帰宅途中に本屋でふと手に取ったリプレイ本を読んだ時であった。使用されていたシステムは『アルシャード・ガイアRPG』で、ダイスを振って判定を行い、PLのRPによって物語が展開されていくという遊びはとても新鮮で衝撃的だったことを覚えている。当時の限られた小遣いでリプレイ本数冊と文庫本の基本ルールブック(以下、ルルブ)を購入し、家に帰ってキャラの作成に夢中になった。
 
 当時は家にインターネット環境がなく、リプレイは主に書籍で堪能しており、TRPGを知る友人はいなかったため(他人に勧めようにも、子どもっぽい遊びであると思っていたから口外しなかった)、セッションなんて夢のまた夢だった。それでもオリジナルキャラの作成はもとより、お気に入りの漫画やアニメのキャラをスクラッチするだけでも楽しめた。

 本屋の書棚には他にも『ソード・ワールド2.0』や『アリアンロッドRPG』といった同じ文庫本サイズのルルブやリプレイ本が並んでいたが、どうにもファンタジーな世界観が好めなかったため、そちらには手を伸ばさなかった(この傾向は今でもある)。


◆セッションとリプレイ動画
 大学生となり、交友関係や時間、金銭面(上限あり)が拡大し、インターネット環境も手に入れたことでTRPGの私的文明レベルは一気に発展することとなる。
 
 まず行ったのは初のセッションの開催であった。当時所属していたサークルのメンツから「TRPGを1回くらいプレイしたいと思ってる勢」を選り抜き、PLとして参加したい欲望を血を吐きながら抑えて、GMとして場をセッティングした。他のメンツとの温度差は理解していたため、使用するシステムはメンツの希望を取り入れて、『ダブルクロス3rd』で遊ぶこととなった。このシステムも基本ルルブは文庫本サイズであったが、待ちに待ったセッションだったため気合を入れて、B5版のサプリメントを購入した(この時にTRPGのルルブは本来B5版が一般的であるということを知った。学生が遊ぶには『お高い』金額だと思う。いわゆる『ルルブなしセッション問題』がはびこる所以か。プレイヤーのモラルに依るだけの話だけど、人狼やマダミスがブームの先頭に置かれたのはここに起因しているのかも)。オフラインセッションでも良かったのだが、(知っている方はご存知の通り)システム上、10面ダイスを大量にロールする必要があったため必然的にオンラインとなった。
 
 セッションツールはSkypeにダイスロールができるソフトを入れて使用した。当時は『どどんとふ』や『富士見TRPG ONLINE』といったセッションツールがあったが操作説明から始めるのは億劫だったため、使用は見送った(自分が野良で参加する時はそれらを利用していた。他にも掲示板やウェブサイト、IRCを用いることがあったらしいが、触れることはなかった)。セッション中に使う画像や動画を送信して、個々に閲覧して楽しむのも一興だった。その後もルールが公開されていた『ParanoiaーO日本語版』(公開をめぐり騒動となったため現在サイトは閉鎖)もプレイしてTRPGライフを謳歌していた。
 
 とはいえ、メンツを招集できるまでにTRPGへの参加のハードルが下がった(と個人的に思っている)のは、やはりニコニコ動画に投稿された珠玉のリプレイ動画のおかげだろう。ルール説明や世界観についてセッション前にリプレイ動画を見ておいてと言うだけで、GMの説明負荷は体感6割は下がった(自分は最初のうち、当初主流だったゆっくりボイスによるリプレイ実況が馴染まなかったのでリアルタイムで投稿を追ってはいなかった)。


◇肉声セッションによるリプレイ動画
 避けては通れないと思ったので差し込もう、TRPGのリプレイ動画だ。中でも肉声セッションに人気が集まったのは当時肉声によるゲーム実況が全盛期であったことや既に『汝は人狼なりや?』がブームとなっていたことに起因するような気もするし、高い再生数を得ていた動画はプレイ内容がイラスト化されていて、PCひいてはPLがキャラクターコンテンツの形を取っていたことにあったかもしれない(ここら辺のサブカル的肌感は本当に当時触れていたコンテンツによって異なると思うため、私見が非常に強いものとして置いてください)。″推し″はホントにサブカルの栄養分となる
 
 特に何度も繰り返し観ていたのは、以下の通り。
・『実はめっちゃ面白いクトゥルフ神話TRPG』以下、同系列シリーズ。
・『ちょっと噛み合わない初心者たちのクトゥルフ』以下、同系列シリーズ。
・『カオスな奴らがワイルドにいく悪霊の家』以下、同系列シリーズ。
 
 再生回数の多い順のランカー勢であり、いずれも『クトゥルフ神話TRPG』である。他にも『パラノイア』や『シノビガミ』、『キルデスビジネス』といった動画映えしやすいシステムのリプレイもあったが、昨今まで継続しているTRPGのコンテンツとしての大きな流れはやはり、クトゥルフで一段階勢いづいたのではないかと確信している(完全に私見)。


◆社会人とTRPG
 閑話休題、「社会人」と題したが、単に遊ぶ時間が少なくなり、他の趣味に回せる可処分所得が増えただけである。大学中に募集して始めた『ソード・ワールド2.0』の『エターナルエンパイア』というサプリメントのキャンペーンシナリオのセッションを週1回の頻度で行い続けながら(なんと現在8年目に突入している)、野良でオンラインセッションに参加してみたり、別趣味の同士で開催したTRPGイベントでKPを務めたりしながら、途切れないながらも細々と趣味の枠には収まっていた。

 リプレイ動画もちゃんと追っていたのは、
・『登山家たちのクトゥルフ神話TRPG』シリーズ
・『嘘みたいに上手くいくクトゥルフ神話TRPG』シリーズ
ぐらいで、やっぱりクトゥルフである(特に前者は最近の一番大きいトピックス(映画化クラウドファンディングの件)につながっていて驚いた)。

 途中、原作に触れていたこともあり、『ログ・ホライズンTRPG』を導入し、こちらもいくつかオンラインセッションに参加していた。公式が無料でキャラクター作成ツールを設置したり、サプリメントを公開したりするのは斬新であったことを覚えている。PL側だけへのサービスだけでなく、シナリオライターやゲームデザイナーに向けた情報提供を行っているのも特徴的で、SNSによるユーザー同士の交流が一般的になった時代に即したシステムだと思う。

 そして現在。新たな交流関係に恵まれ、プレイすることになったのが『マーダーミステリー』である。マーダーミステリーの感想は別に記事にしているため省くが、セッションの際に使用することになった『ユドナリウム』や『ココフォリア』といったオンラインツールの使用感に驚いている。カードを自分だけ見る、といったようなオフラインさながらの機能性はシナリオの作成や演出の創造に大きなモチベーションを与えて、コンテンツのクリエイター、プレイヤー双方に「もっと遊びたい!」という好循環を生み出し続けるだろう。
 もちろん、TRPGをGMとして回す際にかかる労力の省エネにもつながっており、無償配布又は有償購入したシナリオキットをツール上で展開するだけで(操作や進行に少しばかりの練習は必要であるが)、大量の没入感が得られるセッションを体験することができる。
 
 社会人になって、趣味へかける時間と精神的余裕は実際少なくなったと思い込んでしまっていたが、セッションを補助するツールやシナリオキットはそれらの軽減・緩和につながっており、昨今の時流も相まってオンラインで遊ぶ娯楽としては大変コスパが良いのではなかろうか。

◆まとめ
 ルールブックを片手に一人であれやこれやを妄想していた頃から、同士と定期的に卓を回す今に至って、TRPGを取り巻く環境は自分も含めて大きく変化があったのだと感じられる。
 まとめていて思ったのは、アナログゲーム特有の「自分たちで遊び方、遊び場を作ろう」という精神は、たとえ駒と盤が画面上にあっても、同士と直接顔を合わせていなくても、ペンとサイコロで自分達の世界を創っていたあの頃のように、多くのクリエイターやプレイヤーを通して、その時代に反映した形で、紡がれていっているんだな、ということだった。
 良い感じにまとめられたので、今回は以上。ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?