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経営のイロハ、起業ビフォーアフター[13]

連載記事【13/18】


起業したい人は、ぜひ見てみてほしい、「生々しい起業家の半生」にみる経営のティップス。そこには、時代を超越した起業と、その後に関するティップスが存在します。30年眠ってきた日本、そろそろ目覚めてみませんか?

尾崎氏のお話し、連載13回目は経営者としてやってはいけないことについてです。
(今回は全編無料です)

今回のお話は、どちらかといえば、経営者というよりは、人として、という意味においてはすべての人向けなんじゃないでしょうか^^

INDEX
1. “儲かる”ことをやるのではなく、やりたいこと・得意なことを軸にする
2. 事業計画・フィジビリティスタディ(=FS)の重要性
3. 起業の手続や作業は、全部自分で出来る
4. 資本金・運転資金の集め方極意
5. 政府金融機関・銀行との付き合い方
6. ベンチャーキャピタルは期待するほど機能しない
7. クラウドファンディングは資金集めになるか ?
8. 最初は恰好を付けない、実質勝負できる武装が必要
9. 情報収集は、ありとあらゆる手を使う
10. 意味のある人材ネットワークを構築する
11. 企画立案の極意・方法
12. 製品アイデア発案の極意・方法
13. 文書作成と文書管理の極意・方法
14. 営業の極意・方法
15. キーパーソンを見つける
16.“それいいね”と言われる「刺さる話」を展開する
17. 中小企業との付き合い方・大企業との付き合い方
18. いわゆるサラリーマンが言うことは、契約して金が入るまで信じるな
  (企業勤務者でもビジネスマンなら良い、この違いを見抜くのが重要)19. プロジェクトチームの創り方極意
20. 製作監理ではなく“一緒に編み出す”
21. 営業や技術の苦労は少し、大半は資金繰りの苦労
22. 出港した以上「空荷」では戻れない
23.“幸せ家族”の生活は少ないが、それでもかなりのことは出来る
24. 経営者は個人に全責任が掛かる、覚悟はあるか
25. 第三者の保証人にはなるな
26. 間違いがあれば全部負わなければならない

27. インチキ・不正は絶対しない
28. 節税しても脱税はしない
29. 競合との対応
30. 知的財産権(特許)
31. 世の中の要素を組み合わせ展開すれば、かなりのことが出来る
32. 所有する必要は無い、使用すればよい
33. 時間が経っても、本当の人間関係やネットワークは、いつまでも活きる
34. 必要充分で展開し、余剰は社会や次世代の若者に還元する
35. 事実と実質3

ではでは、本文にいってみましょう!

25. 第三者の保証人にはなるな

 まだ私がお子ちゃまで、考えが浅くノウハウも充分じゃない時代のことだ。古くからの知人で、仕事も車の両輪の関係の如く、彼の会社と当社が二人三脚で仕事を進めていた。

 その会社に資金繰りの必要が生じて、借入の保証人になってくれと頼まれた。一緒にやってるし、彼の技術は評価しているし、200万円という小額の保証だし、あまり深く考えないで応じた。
 その後しばらくして、別の知人から保証人を頼まれた。信頼できる知人だし、仕事も将来性があるし、当社の売上もグングン伸びているし、3000万円という高額保証ながら応じた。保証人になったのはこの2件だけだが、後から思えば“バカだね~”という行為だった。

 押印するときに相手(貸主)の素性もよく見なかったし、書類にも充分目を通さなかった。自分がした行為を、後から反省して悩む出来事のひとつだが、実態を知って日が経つにつれ、恐怖心が高じて不眠症になってしまった。

  “自ら蒔いた種でしょうが”と言われることで、誰にも矛先を向けられず、自分で悩みを抱えて暮らすしか無かった。幸い2件とも、返済不能になって保証人が責任を負うという事態は発生しなかったが、1歩間違えばいつ発生してもおかしくない、運が良かっただけだ。

 この2件は共通項がいっぱいある。真っ当な銀行とか政府機関じゃなく、いわゆる「街金の金貸しだ」。社名だけで判定できないネームを付けているが、知るにつけ、違法ギリギリのグレーゾーンでやっていると解った。

 勉強して行けば、驚くべき実態が見えてきた。単なる「保証人」の場合は、債務者(借手)が返済しないなどの事故が発生した場合、債権者(貸手)に対して“借手に返して貰え”と言える。
 「連帯保証人」だったらそうは行かず、債権者の要求に直ちに応じて、保証額の範囲で連帯保証人が返済しなければならない。放置して裁判になり連帯保証人に財産があると、強制執行される。
 これが「根保証」の「連帯保証人」だとさらに厄介なことになる。債権者と債務者の間で将来に渡って行われる貸付借入に対して、不特定多数の債務を将来に渡ってまで「連帯保証人」が保証するものだ。

 例えば、「保証」した場合、債務者が200万円を借りたら、債権者に返済した時点で保証人責任が消滅する。ところが「根保証」だとそうはいかない。債務者が最初に借りた200万円を返済しても、保証後に別の借入をしたら、その借入についても保証責任を負うことになる。ずっと負い続ける羽目になる。「根保証」には限度額契約があるが、これを見逃すと大変なことになる。最初は200万円の話でも、限度額1000万円てな契約をしていれば、1000万円までは責任を負わなくてはならない。
 債権者は、債務者への新たな貸し付けに際し、連帯保証人に対して、“新たに貸し付けましたから、連帯保証人であるあなたの責任は1000万円に増えました”という通知は行わない。連帯保証人は、自分の知らないところで、限度額の範囲内ながらも、非常に重い責任が増大していく。

 街金の金貸しが実施する貸付け契約は、ほぼ全部が「根保証の連帯保証」と言っても過言じゃない、ここに落とし穴が潜んでいる。根保証の連帯保証に絡む金融犯罪や、債務者が社会的に惨い状態に陥ることが増えて、徐々に関連法規の改正や不正業者の摘発が行われているが、それでも水面下で犯罪同様の行為が行われているのが現実だ、他人の保証をする行為に、“自分が借りた訳でもなく、あの人ならきっちり返済してくれるだろう”という思い込みは禁物だ。だって、債権者からみれば、債務者に信用がないからこそ連帯保証人を付けるので、債務者が“絶対大丈夫だよ”なんて言うなら、連帯保証人を依頼せず、債権者にそう言って成立する筈だ。

 どんなに親しくても、どんなに長く付き合っていても、どんなに自分の仕事などに有利だと思っても、いかなる“第三者の保証人にはなるな”、自分の人生そのものが狂ってしまい悲惨な目に合うより、“駄目なものは駄目”と断る勇気が必要だ。

26. 間違いがあれば全部負わなければならない

 中小企業の親玉は、公人・私人の区別はなく、経営している企業が事業不振に至ったり、債務返済できなかったり、何がしかの事故があって倒産等で会社が無くなっても、一生を通じて責任を追及され、“間違いがあれば全部負わなければならない”という宿命を持っている。

 知人や取引先の社長で何人かは、行方不明になったり、自殺したのがいる。悲しむべきことだが、家族も同じく大変で、その後の人生は大きく変わるけど、それが中小企業を経営する以上覚悟しておかなければがならない掟と言える。

 しかし、中には図々しいのがいて、倒産すると行方不明になる。家族にも知人にも、もちろん取引先にも行方を知らせず、雲隠れするのだ。
 実話だが、ある中小企業が破綻して債権者が押し寄せ、子供の学習机や文房具に至るまで、あらゆるモノを押えて持ち去った。人間は着の身着のままで、そこまでの事態が発生する。
 ところが小賢しい奴は、10年間の逃亡を企てる。経済事件の消滅時効というのがあり、“一定期間の経過によって、借金などの返済義務が消滅する”もので、消滅時効は大方10年だ。

 これを利用して計画倒産させる奴もいるといい、ほうほうの体で10年間隠れて逃亡すれば、法的には債務が消滅する。10年の逃亡生活は大変なもので、どうやって生計を立てるかという問題もあり、子供たちや家族の将来は滅茶滅茶になる。

 世の中にはいろんな商売があるもので、債務を抱えて逃亡した奴を探し出し、取り立てをやる輩がいるらしい。見聞きした話では、取り立てる奴も何らかの傷持ちで、前金を取ってからことに及ぶという。

 しかし、金銭的に破綻して逃亡した奴から取り立てに成功した話は聞かないから、同じ穴の狢(おなじあなのむじな:悪事を働く者たちが、一見関係ないようでも実は同類・仲間であること)だ。
 裁判して債務者に支払い命令が出たとしても、裁判所は、有罪判決と支払い命令を出すだけで、債権回収はしてくれない。性質(たち)の悪い輩を相手に時間と金を使っても、実効は無い。

 10年の逃亡だが、仕事を発注していた奴が倒産し逃亡した。実家の周辺に居るという噂は聞いたが、10年逃げ通した挙句、図々しくも従来と同じ仕事を別会社で立ち上げた実例がある。
 その男の人格・行為・逃亡経緯を知らないで、一緒にやれば得すると計算した人たちが、おべんちゃらを言いながら周辺にたむろした。

 私は、本性を見抜いているから関わらなかったけど、ある日、死亡したという話が伝わった。病死か事故死か他の死か、真相は判らないし興味も無いけど、世の中には「お天道様が見ている(おてんとうさまがみている)」ということがある。“人間の悪事に対して、他の人が誰も見ていなくても、太陽はきちんと見ているから、どんな時でも悪事ははたらかないことだ”という意味だ。

 自ら手を下さなくても、天が征伐する訳だが、ワル・ウソ・インチキに塗れた政治屋なんかは、天の征伐をオロオロしながら待っているに違いない。

まとめ

今回のお話は、本当にこういう事があるわけなんですが、こういうお話もあるということですよね。経営されるとなると、どうしてもこういうリスクもありますので、くれぐれも気を付けて、そしてこういう事がある事実も知っておくのは大事だと思います。

さて、次回は、経営者としてやってはいけない事2という感じです

27. インチキ・不正は絶対しない
28. 節税しても脱税はしない

こちらもぜひ、読んでみていただきたいと思います。
今回のお話し、参考になったなと思いましたら、いいね お願いいたします。ではでは!

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