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お酒をまったく飲めない僕が、ベルギービールに惚れ込んだ話。 【Day4:ルクセンブルク、ブリュッセル】

ルクセンブルクで迎える朝。

閑散とした朝食会場をみて、今の時期はオフシーズンであることを悟る。

日曜日の午前中。人で賑わっていると思いきや、ほとんど人の気配がない。

そうか、日曜日はほとんどのお店が休みになるのか。
日本人的感覚としては日曜日こそ、稼ぎ時のチャンスなのではないかと思うが、ことごとく飲食店がやっていない。

当たり前のことだが、日曜日は、みんな休みたいのだ。大きな百貨店でさえ日曜日は14時〜18時までしか営業しない。聞けばクリスマス時期も街は閑散とするらしい。みんな家族で過ごすからだ。

ささやかなことではあるが、自分が当たり前だと思っていたことは、世界では当たり前ではないことがあるのだと思った。

ルクセンブルクからベルギーのブリュッセルに戻る。
アトミウムという巨大なオブジェを見る。
1950年代の万博のときにつくられたらしい。

半世紀前につくられたものとは思えないほど未来的だ。

球体の中を未来的なエスカレーターで移動していく。

それぞれの球体の中はいろいろだが、こんなふうに光のインスタレーションみたいなことをやっているところもあった。

そして姪っ子と夕食に出かける。

ビールはグラスの形によって味わいも変わってしまうため、そのビールに合った最適な形があるらしい。
だからビールの銘柄ごとに専用グラスがあるという。

お酒を全く飲めない僕はそんな蘊蓄(うんちく)さえまったく興味がなかったが、姪っ子に勧められて飲んだベルビービールに衝撃を受けた。

この真ん中にあるリンデマンスの「ピーチビール」
これが衝撃的に美味すぎた!!
そしてまったく飲めないはずなのに、なんと、最後まで飲めた!!
しかもほとんど酔っ払っていない!!

桃もそれほど好きなわけじゃないし、
ビールも全く飲めないのに、
「−」と「−」を掛け合わせた結果、
強烈な「+」の化学反応をもたらしたような奇跡の味わい。

アルコール度数が2.5%ということで
一般のビールに比べて低いのも飲みやすい要因だろう。
ジュースのようなビールのような斬新な味わい。
盛り上がりすぎて写真も撮り忘れたが、
色合いもなんだかオシャレで美しい。
どうやらベルギービールは質がいいからあまり悪酔いもしないらしい。

僕のようにお酒が飲めない人や、
ビールの味があまり好きではない人、
あとお酒があまり好きではないけど、
かといってノンアルだと盛り上がらないという時の
第3の選択肢として、この超微アルビールはアリなのではないか。

姪っ子と二人で
「日本の女性向けにベルギービールを流行らせよう!」
とまさかの新規事業の立ち上げ話で盛り上がった。

フランス語もネイティブ並みに話せる姪っ子が
バイヤーをやることに乗り気になった。
しかも二年の間に彼女は驚くほど政財界に人脈をつくっていた。これは超絶なアドバンテージではないか。

二人で一緒に会社名のネーミングを考えた。
僕がちょっと長い社名を思いつくと、
「ダメ!長い社名だと、ビッグな会社にはならない!」と一蹴された。
「名前はとにかくシンプルに、短く!」という力強い答え。
この子はいずれ大物になるに違いないとその時思った。

ベルギーでまさかの新たな可能性を見つけた嬉しい夜だった。

(Day5に続く)


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