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囀る鳥は羽ばたかない 2巻 感想

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2021年10月の記事一覧

「囀る鳥は羽ばたかない」 2巻第9話 矢代は「淫乱ネコ」?

 1か所だけ第46話の内容が含まれますので、未読の方はご注意ください。  左手の小指を詰めた百目鬼は、影山医院で応急処置を受け、 「頭を守れなくてすみません…っ」と頭を下げる。  影山は「デカイ病院なら今ならまだ指くっつくんじゃないか?」と言うけれど、百目鬼は初めから指を繋げるつもりはなく、ただ謝りに行ったのだ。 (七原がこの後電話越しに「影山先生? あの人じゃ繋げらんねぇだろうが」と言うので、指切断に馴染みのない方が誤解しないように書かせていただきますが、切断した指を

「囀る鳥は羽ばたかない」について 2巻第8話

 第7話と第8話は、物語全体にとって重要な回と言える。  矢代の過去と内面の一端が読者に明かされ、百目鬼が矢代への想いを自覚し、二人の関係が変化していくターニングポイントとなる。  第7話の終わりに誰もが予想した通り、映画館の前で矢代が銃で撃たれる。  右腕と右脇腹に2発食らっても、矢代は動じることもなく と相手を煽る余裕すらある。  3発目の銃弾が矢代の左肩をかすめる。  こんな至近距離で外すなんてど素人かと思うような銃の腕だが、矢代を狙った殺し屋は、わざと急所を外すよ

「囀る鳥は羽ばたかない」について 2巻第7話 序盤の神回 映画館デート

 私はこの回が「囀る」全体の中でもトップクラスに好きだ。  百目鬼の矢代への想いが読者にはっきりと伝わる。その描かれ方が最高に素晴らしい。  表紙は映画館で百目鬼に肩枕をしてもらう矢代。これはデートだったのだと、「The clouds gather」の特典を読んでわかった。  百目鬼、久我、影山が3人で飲んでいる。久我が席を立ち、影山と二人になった百目鬼が尋ねる。  百目鬼は矢代が影山を好きなことを知っているから、影山が矢代をどう思っているのか知りたいのだ。  高校